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【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭

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園芸ガイド編集部

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭

「ローザンベリー多和田」でクリスマスローズの担当ガーデナーをしている西居さん。自宅の庭でもさすがどれもりっぱな大株。

クリスマスローズを育て楽しんでいる愛好家の方々の庭を紹介する第1回。植物のいきいきした自然の姿を大切にしている西居秀明さん、そして、タネをまいて育てた苗がかわいらしくて、手間がかかってもやめられないという上田政子さんの庭を見せていただきましょう。クリスマスローズの愛で方は十人十色。二人それぞれの個性が光ります。

【実例①】植物育ての達人のプライベートガーデン

西居秀明さん(滋賀県)

【ガーデンデータ】
庭の広さ:約100㎡
庭年齢:22年
クリスマスローズの株数:約300鉢

クリスマスローズのみならず植物全般に精通

周りの方に「ヒデさん」と呼ばれ、植物について相談されることも多々。それもそのはず、西居さんは、バラは「Joy of Rose」(横浜市/荏子田)、クレマチスは「名古屋クレマチス会」、そしてクリスマスローズは「ヘレボルス倶楽部」に所属するほど、無類の植物好き&育ての達人として知られているのです。そして、滋賀県の「ローザンベリー多和田」で、バラ、クレマチス、クリスマスローズを担当するガーデナーでもあります。

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭(画像2)

庭の入り口から見た、フェンス沿いに植えられたクリスマスローズ。お宝株も見え隠れし、鉢使いも計算されてワクワクする景色です。

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭(画像3)

自作の寄せ植えは毎年、東京で開催される「クリスマスローズの世界展」にも出展。あらゆる植物の特性を熟知しているからこその完成度。

「クリスマスローズ育ては、そのおしゃれな名前に引かれて、ワイン色の一重の株を庭に植えたのが始まりです」という西居さん。

今では買い集めたセミダブルやダブル、ピコティー、バイカラー、原種交配の花など、多くのクリスマスローズが早春の庭を彩ります。地植え、鉢植えともに、可憐ながら旺盛に咲いている花々が印象的な庭です。

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭(画像4)

クロッカスとピンクダブルのクリスマスローズとブルーベリーを合わせた1年を通して楽しめる寄せ植えに。

魅力を引き立てる早春の花との寄せ植えも

バラ、クレマチス、そしてクリスマスローズと、いつも何かしらの花が咲いている庭。どの植物ものびのびと旺盛に育っているのがわかります。

つるで伸びる植物も、あまり無理に仕立てたりしないのが西居さん流の育て方。そのせいか、あらゆる花がいきいきとした自然の姿で咲いているようです。

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭(画像5)

それぞれの花をよく見れば見るほど、すてきな花であふれている非常にぜいたくな水盤。

【クリスマスローズの庭実例】達人のプライベートガーデン&みずから交配し育てる愛情たっぷりの庭(画像6)

地植えのクリスマスローズと鉢からこぼれ出るように植えたリシマキア。見せ方にもこだわっています。

また、クリスマスローズとクロッカスなどの早春の球根花、山野草などと寄せ植えをつくるのも得意な西居さん。自宅の庭で楽しんでいるのはもちろん、「ローザンベリー多和田」のガーデナーとして活躍され、また寄せ植え教室の講師も務めています。リピーターも多く、募集するとすぐに満席になってしまうほどの人気ぶり。

庭植えでも鉢植えでも、クリスマスローズは幅広い楽しみ方ができるということを体現している西居さんです。

寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターにまとめて植えることです。花の色や形、高さのバランスを考えることで、美しいアレンジが楽しめます。同じ環境を好む植物同士を組み合わせるのがコツです。季節ごとに植え替えれば、年間を通じて楽しめる人気のスタイルです。

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山野草とは、山地や野原などの自然環境に自生する草花の総称です。季節の移ろいとともに可憐な花を咲かせるものが多く、例えばフクジュソウ、イワウチワ、ホトトギスなどが知られています。近年では自然の趣きを大切にしたガーデニングスタイルとして、鉢植えや盆栽仕立てで育てる愛好家もふえており、日陰や半日陰などの環境を生かして、庭の一角に山野の風情を取り入れることができます。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

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原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

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