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【ガーデニング】つるバラを植える際の基本ポイント 初心者のバラ育てQ&A

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吉原美奈子

【ガーデニング】つるバラを植える際の基本ポイント 初心者のバラ育てQ&A

ブルーグリーンの鋳物のフェンスの上部にバラを這わせた海外の庭。あえて全体に這わせず、素敵なデザインを見せるところにセンスがうかがえます。

アーチやフェンスを覆うように咲き乱れるつるバラ……。多くの人が憧れる美しいシーンです。そんな情景を作るため、地植えや鉢植えにする際の時期や植え方のポイントを解説します。

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庭のバラを渋い陶器の花瓶に無造作に生けただけですが、室内が一気に華やぎます。つるバラなら惜しげなく切れるのがありがたい。

Q つるバラはいつ、どうやって植えるの?

A つるバラもハイブリッドティーイングリッシュローズなどのバラと同じく、苗を晩秋~冬に植えるのが基本です。根が活動を休止する冬なら植え傷みが少ないため安心して植えつけることができます。

3月からは芽がどんどん動きだすので、うっかりして芽に触れて落としてしまうこともあります。3月以降に植える場合は大事な芽を傷めないよう、注意して作業してください。

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横浜はバラの街でもあります。山下公園は豪華客船とバラが楽しめる公共の公園。手入れも行き届き、人々の憩いの場となっています。

つるバラの苗はバラ専門店やガーデンセンターで求めることができます。冬にはがっしりとした大苗、春にはみずみずしい新苗が出回りますが、長尺苗といって、1~3本の枝が1m以上にも生長し、支柱にくくり付けられている苗があります。

プロが大きくなるまで育てた苗で、植えつけたら長い枝をそのままフェンスなどに留めることができますし、早く花を見ることができるのでおすすめです。

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白い木製のフェンスに小輪の赤いバラがアクセントを添えます。素朴でカジュアルな情景ですが、バラのある幸せな家庭のイメージ。

Q つるバラの具体的な植え方を教えて

A つるバラは大きく育つので植え場所を広くとるようにします。アーチに這わせるのか、オベリスクに巻き付けるのかなど、あらかじめ計画しておきましょう。
植えつけ時に構造物の設置も行うと、後々きれいにまとまります。

アーチでもオベリスクでも、苗はその外側に植えるのが原則です。構造物の内側に植えてしまうと枝が伸びだすにつれて株が混み合って、きれいに這わせることができないからです。

フェンスの場合は正面中央に苗を植えて、両側に扇形のように枝を這わせていくとすっきりと美しく見せることができます。

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しっかりとした造りのフェンスにシュラブタイプの赤いバラを。フェンスとバラの相性の良さときたら、互いに欠かせない存在です。

植えつけの方法はハイブリッドティーなどの株バラと同じで、幅、深さとも40㎝ほどの穴を掘り、底にバラ専用の肥料を入れ、土を適量戻し入れてから苗の根を広げるように中央に置き、残りの土をかぶせます。
ただし、春以降に出回る新苗の場合は、根鉢の土をくずさず、そっと穴に入れて植えます。

植えた後はバケツ1杯以上の水をやり、水が引いて土がへこんだらさらに土を足し、株元がやや高くなるように調整します。

長めの支柱をしっかりと立て、伸びてくる枝を留めていきます。支柱に収まらないほどになったらアーチなどの構造物に這わせましょう。

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青空の下のピンクのつる性イングリッシュローズ。花付きが良すぎるほどですが、花色と花形がやさしげなので上品な雰囲気があります。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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オベリスクとは、園芸用の支柱の一種で、円柱状や四角柱状の塔のような形をしたものです。おもにバラやクレマチスなどのつる植物を誘引し、美しく仕立てるために使用されます。オベリスクを利用することで、植物を立体的に見せることができ、庭やベランダのアクセントとしても活用されます。

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植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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トレリスとは、格子状に組んだ木や金属の支柱で、つる性植物を這わせるために設置される構造物です。クレマチスやバラなどの仕立てに使われ、立体的な演出やスペースの有効活用に役立ちます。庭やベランダに設置することで、植物の生長をサポートするだけでなく、景観のアクセントとしても優れた役割を果たします。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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根鉢とは、鉢植えの植物を鉢から抜いたときに、土と根がかたまりになっている部分のことを指します。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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新苗とは、その年につぎ木やさし木でふやされた若い苗のことを指します。​特にバラ栽培において用いられる用語で、春から初夏にかけて販売されます。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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大苗とは、ある程度の生長を遂げた苗木のことを指し、特にバラや果樹の苗でよく使われる用語です。根がしっかりと張り、幹や枝が太くなっているため、植えつけ後の活着率が高く、すぐに花や果実を楽しむことができるメリットがあります。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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