私が出会ったこの音楽
瞳みのるさんが出会ったこの音楽！「中学時代、岸部一徳と歌声を重ねた曲。 楽しかった思い出がよみがえります」
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ゆうゆう編集部
グループ・サウンズ「ザ・タイガース」のメンバーとして、「ピー」の愛称で人気を博した瞳みのるさんに、思い出の音楽を紹介してもらいます。プラターズ 『 オンリー・ユー～プラターズ・ベスト』。瞳みのるさんが中学時代、岸部一徳さんと幾度も歌ったのだそうです。思い出を振り返っていただきました。
PROFILE
瞳みのるさん
ひとみ・みのる●1946年、京都府生まれ。ザ・タイガースのドラマーとして67年にデビュー。71年のグループ解散後は、高校復学を経て慶應義塾大学文学部中国文学科へ。修士課程へ進み、教員免許を取得する。その後、慶應義塾高等学校教諭として中国語・漢文を担当し、2010年に退職。11年からはミュージシャンとしての活動を再開し、瞳みのる＆二十二世紀バンドなどで精力的に活動中。
オフィシャルサイト
中学時代、岸部一徳と歌声を重ねた曲。 楽しかった思い出がよみがえります
僕が中学３年生のとき、初めて同じクラスになり、仲よくなったのが岸部一徳でした。
岸部は背が高くて寡黙で、見た感じ友達がいない（笑）。おしゃべりな僕がいろんなことを話して、寡黙な彼がうまく聞いてくれて、非常に馬が合いました。
特に親しくなったきっかけは、修学旅行ですね。
箱根、横浜、東京を巡り、自由行動では電車で渋谷へ。同じ班だった僕たちはその間ずっと、ザ・プラターズの「ユール・ネヴァー・ネヴァー・ノウ」を歌っていました。僕が高いパートを歌うと、岸部が低い歌声で加わってね。
周りの同級生たちはみんな飽き飽きしていたけれど（笑）、僕たちはすごく楽しかった。彼とは一生つき合っていくんだろうなと、そのときに思いました。
プラターズ 『 オンリー・ユー～プラターズ・ベスト』
1953年に結成され、90年にはロックの殿堂入り。美しいメロディーとハーモニーで、アメリカのオールディーズ黄金時代を牽引した人気コーラスグループ。瞳さんの思い出の「ユール・ネヴァー・ネヴァー・ノウ」の他、「オンリー・ユー」「グレイト・プリテンダー」「煙が目にしみる」など、日本人にもおなじみのヒット曲を集めた決定盤ベスト。全11曲収録。
UICY-15650
ユニバーサル ミュージック 1320円
岸部は９人兄弟の大家族。居心地がよくってね、僕はよく彼の家に遊びに行っていました。
３歳下の弟・シロー（岸部シローさん）は子どもながらにマセていて、ビルボードなど洋楽にも詳しかった。だから、ザ・プラターズを最初に聴いたのもシロー経由だったかもしれません。この曲にはそんな少年時代の思い出が詰まっています。
高校2年生の頃、岸部と僕が京都の河原町通を歩いていたら、向こうから森本太郎がやってきました。森本は僕の小学校時代のクラスメイト。僕が２人を紹介して、そこに僕の高校の後輩・加橋かつみも加わって、沢田研二がバンドボーイをしていた「田園」というダンスホールに出入りするようになりました。
その頃、僕たちはインストゥルメンタルバンドをやっていましたが、ボーカルを入れようということになり、沢田に声をかけたら二つ返事で「やりたい」。一緒に活動することになりました。
実は、僕はしもやけが原因で左手小指の骨が曲がっていて、うまく弦を押さえきれないんです。だからギターやベースは向かない、ボーカルには沢田がいる……そうなると、あとはドラムしかない（笑）。こうしてザ・タイガースの母体となるバンドが誕生したんです。
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次回は、瞳みのるさんに、音楽に携わる人生のきっかけになった曲を紹介いただきます。
※この記事は「ゆうゆう」2023年2月号（主婦の友社）の内容をWEB掲載のため再編集しています。
