今年79歳とは思えないジーンズ姿!元ミス日本の「ウォーキング」や「有酸素運動」はどこが違う?
歩くときはお尻の筋肉を締め、脚の内側の筋肉を意識する
谷さんが早歩きを実践するのは、お尻と脚の筋肉の強化につながるからです。
「トロトロ歩いていても、筋肉の強化という点ではあまり意味がないんですよ。大事なのは、お尻の筋肉をキュッと締めて、お尻の筋肉を引き上げることと、脚の内側の筋肉を使っていることを意識しながら、早足で歩くことです。早く歩くことで、内転筋などの内側の筋肉にも負荷がかかり、引き締め効果が高まります」
ウォーキングで脚を踏み出すときには、かかとから着地するとよい、などといいますが?
「それは当たり前ですね。かかとから着地しないとつま先が上がらず、つまづいてしまいますから。つま先が上がらないのは、ふくらはぎの筋肉が弱くなっている証拠。ふくらはぎがしっかりしていれば、歩くときに膝も伸びて、足をしっかり前に出せます」
体をあまり動かさずにいると、「筋肉はもう必要ないのだな」と判断されて、筋肉の細胞がやせ細り、脂肪細胞に置き換わってしまうそうです。
「特に、50代以降は筋肉の落ち方も激しくなります。ふくらはぎを含めて脚の筋肉をキープするためにも、ふだんから意識して早歩きをすることが大切ですね」
電信柱で姿勢をリセット!
ウォーキング中に、後ろを歩くご主人から軽く注意されることがあったという谷さん。
「私は主人より何歩か先を歩いているのですが、いっとき、主人から背中をトントンされることがありました。何だろう? と思ったら、“姿勢が悪いよ”という合図だったのです。早足で歩こうとすると、どうしても前のめりになって、背中が前傾してしまうんです。若い人と年齢を重ねた人の歩き方は、姿勢が違うんですね。年齢が高くなると背筋が弱くなるから、どうしても前傾姿勢になるし、おなかも出て、お尻も下がってくるし」
そこで、谷さんが考えたのが、電信柱で姿勢をチェックすること。
「歩くコースに、電信柱があるでしょう? 電信柱に背中をあてて立ってみると、自分の姿勢がよくわかるんです。前のめりになっていたら、後頭部、背中、お尻、かかとをピタッと電信柱にくっつけて、リセットします。そして、そのままの姿勢を意識しながら、また歩き出すわけ」
なるほど。夫婦二人三脚のほほえましいシーンが浮かんできます。もし夫婦や家族、友人と一緒にウォーキングをするなら、お互いに「トントン」し合って、電信柱で姿勢を確認しながら歩けばいいのですね。お互いの会話も増えて楽しいし、姿勢も正せて一石二鳥です。
「そうね。姿勢の悪さも年齢を感じさせる大きな要因になりますから、電信柱も使いよう。前傾姿勢は、背筋や腹筋などの筋力が弱り、上体が骨盤にちゃんと乗っていないことのあらわれです。背筋や腹筋を効率的に鍛えるためにも、骨盤を立てて背筋を伸ばして歩くことが大切です」
意識はしても、なかなか前傾姿勢が直らない人には、こんなアドバイスをしてくれました。
「背中が丸まってしまうのは、骨盤がしっかり立っていないから。腰を前後にふりふりする体操をすると、骨盤を立てる感覚が身について、自然にできるようになりますよ」
谷さんは家でも「姿勢」を意識しています。
「うちでテレビを見ているときも、けっこう姿勢には気をつけていますね。まず、ソファに深く腰掛けて、骨盤を起こし、背中の下に空間ができていたら、硬めのクッションをはさみ、背筋を伸ばします。主人は、ソファに浅く腰掛けて、おなかを突き出して座ったりすることがありますが、それは腹筋がゆるんでしまう悪い例。骨盤を起こして座れば、不思議なもので、自然におなかにハリが出て、背筋も伸びるんです。皆さんも、ぜひやってみてくださいね」