私らしく生きる 50代からの大人世代へ

人気記事ランキング 連載・特集

【祝儀袋のマナー】結婚祝い、お見舞いなど、どう使い分ける?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

公開日

更新日

ゆうゆうtime編集部

かわいい水引飾りが話題になったことがありましたね。水引は、和紙を水のりを引いて固めたもので、冠婚葬祭の金封には欠かせません。水引やのしの意味や由来を知っておくと、選ぶときに間違えることもありません。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんに教えていただきました。

こちらもどうぞ。【結婚祝いの相場】甥や姪の結婚式でいくら包めばいい?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

水引の由来と使い分け

こより状にした和紙に「水のりを引いて」固めているため、「水引」と呼ばれています。

飛鳥時代、遣隋使が日本の帝へ持ち帰った贈り物に、紅白の麻ひもが結ばれていたのが始まりと考えられています。以来、日本でも宮廷への献上品には紅白のひもを結ぶようになりました。

紅白の水引は、やがて丈夫な和紙製になり、民間でも使われるようになりました。今も宮中では用いられていますが、紅の染料が手に入りにくくなっているため、一般にはあまり使われなくなってきました。

現在、祝儀袋などに用いる赤と白の水引は、この「紅白」と区別して「赤白(あかしろ)」と呼びます。

京都や北陸地方などで不祝儀に「黄白」の水引を使うのも、「紅」の染料に関係します。紅は遠くから見ると黒っぽく、黒白の水引に似て見えました。不祝儀に黒白の水引を使うと、尊い紅白とまぎらわしく、おそれ多いということから、黄白の水引を使うようになったのだそうです。

水引の種類

上から、蝶結び、あわじ結び、結びきりです。金封の用件に合わせて使い分けましょう。

【蝶結び(行結び)】
出産や入学、その他、何度も繰り返してもいいお祝いには、結び直せる蝶結びを使います。

【あわじ(あわび)結び】
結びきりの応用で、同様に繰り返したくないこと、結婚祝いや不祝儀に使用します。簡単にはほどけない真結びの飾り結びです。

【結びきり】
結婚や弔事、入院、災害など、繰り返したくないことに使います。以前は目上の人やあらたまった場合には、結婚や弔事でなくても結びきりを使う風習がありました。現在でも、関西ではこのしきたりの場合もあります。

慶弔別 水引の色

水引の色は慶弔によって違い、宗教や格式でも使い分けられます。主な色の組み合わせと用途を紹介しましょう。

赤白  お祝い事やお見舞いに。赤は人の血(塊)、白は清浄を表すとされます。

金銀  慶事用で最も格上。金銀は男性と女性を表すとされ、結婚祝いや結納に使われます。

黒白  弔事用。宗教を問わず、葬儀、法要などに。

双銀  主に弔事用で、黒白より高い格式です。

黄白  主に、京都や北陸地方で弔事に使用されます。

双白  主として神式の弔事に用いられます。

のしの由来と使い分け

のしは、本来は「のしあわび」といって、あわびを薄く伸ばして干したものを指しました。これは「肴も添えてお贈りします」という意味で使われ始めたとされます。

また、のし=伸ばすということから、「縁を伸ばす」「喜びを伸ばす」という願いを込め、お祝い事に添えられます。

ただし、海産物やかつお節を贈る場合、のしも海産物であるため、重複を避け、のしはつけません。

格の高い順に折りのし、印刷のし、文字のしとなり、お祝い事の種類や、包む金額によって使い分けます。ちょっとしたお祝いやお礼に折りのしつきの袋では大げさですし、逆に、結婚のお祝いに文字のしの袋では失礼になります。

【文字のし】  
松葉や「のし」という文字が印刷されています。

【印刷のし】  
袋に印刷されています。

【折りのし】 
和紙を折って作られています。

※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年8月9日に配信した記事を再編集しています。

★あわせて読みたい★

【結婚式のマナー】若い世代から結婚の招待状が届いたときの返信のルールとは?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識 【結婚祝いの相場】甥や姪の結婚式でいくら包めばいい?50代からおさえておきたい冠婚葬祭のマナー 【祝儀袋のマナー】結婚式やお祝い事で大人が選ぶべきものとは?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識
監修者

現代礼法研究所主宰

岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

50代からの冠婚葬祭きちんとマナー Kindle版

岩下宣子監修
主婦の友社刊

暮らしもおつき合いの幅も縮小していく大人世代。そんな中でも、最低限おさえておきたい冠婚葬祭のしきたりや、お中元、お歳暮、お見舞いなど、日々のおつき合いにおけるお金の相場やマナーをわかりやすく解説。年金生活者やそのプレ世代が、負担を減らしながらも気持ちをしっかりと伝えるために役立つ常識が満載です。

※「詳細はこちら」よりAmazonサイトに移動します(PR)

詳細はこちら
この記事の執筆者

PICK UP 編集部ピックアップ