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【祝儀袋のマナー】結婚式の「金封」の決まりごととは?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

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ゆうゆうtime編集部

結婚式の金封の外包みの表書き、中包みの書き方、お金の入れ方などにも、細かなしきたりがあります。慶事と弔事では折り方が逆……というような決まりごともあるので、マナーは心得ておきたいですね。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんに教えていただきました。

こちらもどうぞ。【祝儀袋のマナー】結婚祝い、お見舞いなど、どう使い分ける?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

慶事の基本の表書きのルール

金封は外包みと中包みが二重になっていることがほとんどです。外包みの上部には表書き(贈る目的)を、下部には名前を書きます。

正式には墨を使って書きますが、筆ペンでもかまいません。ボールペン、万年筆、サインペンなどは、ちょっとしたお礼程度ならOKですが、結婚祝いでは使いません。

結婚祝いなどの慶事では、おめでたいことを祝うために心を込めて、ていねいに墨をするので濃い墨文字を使うのが習わしです。

【表書き】
中央に書きます。

【名前】
表書きよりやや小さな文字で中央に書きます。フルネームが基本ですが、目的により姓だけにすることもあります。

【文字のバランス】
上部を5等分して考えます。「寿」など1文字なら中央部に。「御新築御祝」など5文字なら5等分して均等に配置するか、2行に分けます。2行に分ける場合は、「御祝」を中央に書き、右肩に小さく「御新築」と添えるとバランスよく見えます。

結婚祝いの表書きのルール

【のし】
紙にくるまれている黄色いものが「のしあわび」を意味しています。

【水引】
「あわじ結び」という結び方です。慶事の場合、本数は奇数が基本ですが、結婚祝いの場合だけは5本の水引を2束使って10本にすることも。赤白の水引でもOKです。

【表書き】
すでに印刷されていることが多いのですが、空白なら「寿」「壽」のどちらかを書きます。旧字体の「壽」のほうが格調高く見えます。

【名前】
筆または筆ペンを使い、表書きの「寿」よりも小さな字で左右の中央に、楷書でていねいに書きましょう。

中包みの書き方

結婚式では、金封の中包みには金額、名前を書きます。葬儀・告別式では住所を書きますが、結婚式では招待した人が参列するので住所は不要です。

中包みの表側の中央に「金◯萬円」と書きます。「也」はつけません。

金額の数字は、正式には大字(だいじ)で書きますが、漢数字でもかまいません。
市販の袋で裏側に記入欄がある場合は、そこに書き入れます。

お金の入れ方

お札の枚数と紙幣の向き

お札の枚数は、2つに分かれないように2枚(2万円)、4枚(4万円)は避けるのが無難です。奮発して3万円、5万円に。

紙幣の向きは、中袋を表から見てお札の人物の顔が上になるように入れます。中袋が封筒型の場合、表側上に人物の顔が向くように入れます。

中包みを外包みに入れる向き

外包みの表書きの裏になる面に中包みの表を向けて入れます。その後、①、②の順に重ねます。

外包みの折り方

慶事と弔事では重ね方が反対です。お金を入れるときに開いてしまうとわからなくなるので、「喜びは上向き、悲しみは下向き」と覚えておきましょう。

ちょっとしたお礼や心づけの表書き

あまり大げさにお礼をすると、相手が負担に感じることもありますよね。「ほんの少しのお礼です」という意味の言葉を表書きにすると、気づかいなく受けとってもらいやすいものです。

一般的には「寸志」「松の葉」などと書きます。寸志は本来目下の人に贈るときに使う言葉なので、目上の人には使えません。松の葉は「松の葉ほどの細さ」しかない、ほんのわずかな気持ちですということを表していて、こちらは目上の方にも使えます。

水引をつけるなら蝶結び、悲しみの贈り物ではないという意味で、のしも必ずつけます。

気をつかわない印象にするのなら、水引は赤い帯だけでもいいでしょう。その場合、名前は姓だけでもOKです。

※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。情報は掲載時のものです。

※2023年8月10日に配信した記事を再編集しています。

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監修者

現代礼法研究所主宰

岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

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