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【年金世代の後悔しないリフォーム】老後も安心・安全に暮らすための住まいの工夫とは?

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ゆうゆう編集部

人が年をとるように、家も年をとるもの。でも年をとった住まいも、新しい技術&機能を加えれば、便利で暮らしやすく変身します。「老後のこれから、安心・安全に暮らせる住まい」にと、家をリフォームしたマナーデザイナーの岩下宣子さんに、住み心地などを伺いました。

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お話を伺ったのは
マナーデザイナー
岩下宣子さん

いわした・のりこ●1945年、東京都生まれ。全日本作法会や小笠原清信氏らに作法を学び、85年に「現代礼法研究所」を設立。マナーの研修や講演、執筆などを行う。『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)など著書多数。夫の義弘さんは65歳で食品メーカーを退職後、さまざまな面で宣子さんをサポート。

【リフォームDATA】
・4LDK+ロフト
・3人暮らし+犬1匹
・一戸建て
工期は6カ月。リフォームを機にソーラーシステムを導入して、節約&省エネも実現した。

バリアフリーの住まいで 将来に備えたい

岩下宣子さん・義弘さんご夫妻は、34年間暮らし、家族の思い出がぎっしりと詰まった住まいを2015年にリフォームした。

「最初は私の知らないうちに話が進んでいて、『えっ⁉ 家をリフォームするの?』っていう感じだったのよね。でも夫のおかげで、居心地のいい住まいに生まれ変わって、今はとっても感謝してます!」

と声を弾ませる宣子さん。リフォームを思い立ったきっかけを、夫の義弘さんは次のように話す。

「一番のポイントはバリアフリーです。妻の両親と15年間、同居していたんですが、義父は脳梗塞で倒れ、最後の3〜4年間は車椅子での生活でした。前の住まいは段差はあるし、あちこちに引き戸のレールはあるしで、車椅子での移動はひと苦労でね」

義父の居室はトイレや浴室から遠い場所にあった。そのため、義弘さんと宣子さんの2人がかりで車椅子を持ち上げなければ、目的の場所にたどり着けないこともあったそう。

「妻も私も長生きの家系。このままだと、自分たちの体が弱ったときに大変だと思い、家中をバリアフリーにして将来に備えたかったんです」

岩下さん宅のリフォームは前の住まいの主な梁や柱など骨格部分だけを残し、それ以外は改築するかなり大規模なもの。建て替えという選択肢はなかったのだろうか?

「『そんなに直すんだったら、新築のほうが安いんじゃない?』ってみんなに言われたけれど、でもこの梁、柱の色や風合いが家族の歴史。全部新しくするのではなくて、前の住まいのものを残すことで、ここが自分たち家族の家であり続ける、そんな気がしたんです。特にリビングは家族みんなが集まってご飯を食べる場所だったので、大事にしたかったの」と宣子さん。

義弘さんも「そうだね。最初からこのリビングの梁は残そうと決めていたよね」。

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