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【ガーデニング】年末からはバラ仕事が目白押し!まずは鉢植えバラの手入れを

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吉原美奈子

【ガーデニング】年末からはバラ仕事が目白押し!まずは鉢植えバラの手入れを

つるバラとウインドウボックスのゼラニウムを赤で揃えた珍しい植栽。オフホワイトの壁と茶色の窓枠のベーシックな色合いが、主張の強い赤を品よくまとめています。

関東以西では寒波がやってこない限り、強健で四季咲き性の強いバラは花を保ちます。どうしても花を咲かせたくて夜間にバラに袋をかける人もいますが、そこは自然の流れ。最後の花が咲いた後は次の季節に備えましょう。鉢植えバラを育てている人は大切な仕事が目白押し。苗の植え付けもありますが、鉢替えの作業も必要です。忙しい時期なので段取りよくすすめて下さい。

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花弁の裏が白いピンクのバラ。このようにツヤツヤとして、しっかりとした質感の葉は照葉(てりは)と呼ばれ、病気や害虫に強いのが特長です。

鉢植えならゴージャスなバラ庭も実現可能

基本的にどんなバラであっても鉢で育てることは可能です。鉢植えにすると、多少日当たりが悪い環境でも、鉢を日照に合わせて移動することができますし、お客様をお迎えするときは玄関に鉢を飾るなどということもできます。

筆者はかつて広いルーフバルコニーを100鉢近いバラで埋めつくしたお宅を訪れたことがありますが、鉢と鉢を寄せることで庭植えでは不可能なバラの密植シーンが実現し、それは豪華だったことを覚えています。鉢植えには不向きといわれるつるバラも、2個の大型の深鉢に植え、大きな窓の両側から這わせていましたが、室内からの眺めも最高でバラの園にいるようでした。

バラは密植すると通風が悪くなり、根も十分に張れず生育に悪影響を与えるので密植は禁物です。もちろん、そのお宅でも花の最盛期が過ぎれば鉢と鉢を離してバラに配慮をしていました。しかし鉢植えであればこのようなバラを使った庭の演出ができ、訪れた人を感動させることもできるわけです。庭のない方でもあきらめることなく、鉢植えバラで理想のバラ庭のシーンをつくり出してみてはいかがでしょう。

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つるバラの‘レオナルドダビンチ’は丈夫で花付きのよい人気品種。枝を切ってシュラブのようにしてもいいし、アーチに這わせてもよい使い勝手にすぐれたバラです。やや波打つ花弁が愛らしい。

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カナダのスタンレーパークは素敵なローズガーデンがあることでも知られます。ピーチピンク~アプリコットの色のグラデーションは日本のスモールガーデンでもお手本にしたい。

鉢植えバラは年に一度の鉢替えを

このように魅力いっぱいの鉢植えバラですが、それなりの配慮と手入れは必要です。栽培法は基本的に地植えと同じですが、地植えにない手入れの一つに鉢替え(土替え)があります。鉢植えバラは限られた量の土で育つため、同じ土で育てていると根詰まりを起こしたり、土の栄養分がなくなって生育が悪くなってしまいます。また、長年土替えをしないと、土中に病害虫がひそんでいることに気づかず、大事なバラを枯らしてしまうといったことも起こりかねません。

バラの鉢替えは基本的には年に1回行います。苗を植えて3年以内であれば、バラの生長に応じて毎年、鉢を一回り大きなものに取り替えるとよいでしょう。ただし、3年たった成木や株をあまり大きくしたくない場合、鉢の大きさが8号程度(直径30㎝弱)であれば、それ以上大きな鉢に植え替える必要はありません。

また、8号以上の大鉢に植えている場合は土を毎年替える必要はなく、2~3年に一度でも大丈夫です。

鉢替え(土替え)の作業はバラの根が休眠して扱いやすくなる12~2月が適期です。年が明けるとバラの最も大切な作業である冬剪定が待っているので、鉢替えはなるべく12月中に済ませておくとスケジュール的にも安心です。

植え替えとは、鉢植えや地植えの植物を別の場所や容器に移して育て直す作業を指します。生長に伴って根詰まりを起こしたり、用土の養分が不足したりした場合に必要で、植物の健康を保つために欠かせない手入れのひとつです。時期としては休眠期や生長初期が適していて、新しい用土や大きな容器、広い場所に植え替えることで根の活性化を促します。根の状態を確認しながら丁寧に行うことで、再び元気に育ちやすくなります。

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根詰まりとは、植物が鉢の中で長く育ちすぎて、根がびっしりと詰まりすぎてしまう状態です。根が行き場をなくして窒息し、水や栄養を吸えなくなります。定期的な植え替えで鉢を一回り大きくするのが対策です。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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鉢底石とは、鉢植えの一番下に敷く軽石などの石のことで、水はけをよくするために使います。鉢の中に水がたまりすぎると根腐れの原因になるため、鉢底石で排水性を高めることが重要です。再利用が可能なので、キッチン用の水切りネットなどに入れて使用すると便利です。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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成木とは、植えつけから数年が経過し、十分に生長して実をつけたり、花を咲かせることができるようになった樹木のことを指します。例えば果樹園で見られるリンゴやモモの木も、成木になれば毎年安定して収穫が期待できます。成木になるまでの管理が重要で、剪定や害虫対策、肥料など細やかなケアが必要です。ガーデニングにおいては、この段階になれば見栄えもよく、大いに楽しむことができます。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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