フランス・パリの築140年超のアパルトマン2LDKひとり暮らしのお宅拝見。50代マダムのセンスの良いインテリアとは?【前編】
歴史あるアパルトマンに暮らす、パリのマダムF(50代後半)。コンパクトな空間をセンスよくまとめたインテリアには、真似したくなる工夫があふれています。壁やカーテンをテーマカラーで統一し、ヴィンテージのトランクをローテーブルに——そんなおしゃれな暮らしぶりをご紹介。前編は、日本の応接間にあたるサロンと、周辺の街の様子をお届けします。
アンティークが溶け込む、パリのアパルトマン
マダムFが、このアパルトマンに住み始めたのは約25年前です。
アパルトマンの間取りは日本の2LDKに近い広さです。サロン(リビング・ダイニング)、キッチン、ベッドルーム、そしてTVルーム(兼ゲストルーム)。築140年を超える建物ですが、シンプルな内装と色使いやモチーフが統一され、洗練された雰囲気の素敵な住まいです。
室内に飾られているシャンデリア、絵画やオブジェは、アンティークショップに通いながら、年月をかけて少しずつ集めました。
日本のマンションでも、西洋のアンティーク家具やオブジェを室内装飾に取り入れている方が多くいらっしゃいますね。鉄筋コンクリートで建てられている日本のマンションの場合は、モダンな内装の中に、クラッシックな品々が、インテリアの素敵なアクセントになって存在しているように思います。
フランスの石造りのアパルトマンの場合、アンティークの品々は、時を重ねた暖炉や木の床に溶け込んで、調和されたイメージを作り出しています。
壁やカーテンは、2色のテーマカラーで統一を
マダムのアパルトマンの中心にあるのは、日本でいう応接間にあたるサロンです。
サロンの中央には、アパルトマンの建設当初から据えられている大理石の暖炉と、細かい装飾が施された鏡があります。長い年月を経た今もなお、上品で優美な雰囲気を演出しています。
料理上手なマダムFは、週末には友人や知人を招いてリビングでアペリティフを楽しみ、隣のダイニングでは自慢の料理と美味しいワインでのおもてなしを楽しんでいます。
アパルトマン内の壁やカーテンは、マダムのテーマカラーである若草色とクリームイエローで統一されています。優しく温もりのある色彩が、約140年を経た寄木床とともに、落ち着いた雰囲気を作り出しています。
サロンとタイニングルームには、同じアンティークのシャンデリアが飾られています。繊細なクリスタルの輝きと、年月を経た深みのある真鍮が柔らかい光を灯しています。
日本でも、リビングルームなどで間接照明を取り入れることがトレンドになっていますね。落ち着きのある光に包まれて、リラックスした時間が過ごせるのでおすすめです。
部屋に入るとまず、暖炉の前に置かれたローテーブルが目をひきます。
マダムの両親が結婚時に購入した、1950年代のヴィンテージ・トランクです。
友人をアペリティフに招待した時には、この上にamuse-bouche アミューズ-ブッシエ(オードブル)のお皿を並べて、楽しいひと時を過ごします。
ソファはマダムの好きな花模様、2000年にドイツで購入しました。
皮の質感が重厚なトランクと、優しい色使いの花柄モチーフのコントラストが、心地よい空間を演出しています。
