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「役者生活50年、大切な言葉をもらってきました」市村正親さんを変えた3つの言葉とは?

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ゆうゆう編集部

恩師からの言葉を心の中に刻んで

41歳で劇団四季を退団した後も、ミュージカル、ストレートプレイ、ひとり芝居など、舞台の最前線で活躍を続けてきた。その活動の中で出会ったのが、世界的演出家として知られる蜷川幸雄さん。

「蜷川さんにもいろんなことを教わりましたが、一番印象的なのが『多少の嫉妬心をもて』という言葉。嫉妬心が強すぎると『あの野郎、蹴落としてやる』と般若みたいになっちゃうけれど、嫉妬心がまったくないと向上しない。『アイツいいな。チクショー』から『よし、自分も何とかやってやろう』と成長できるわけだから、多少の嫉妬心は大事です」

「多少の嫉妬心をもて」

蜷川幸雄さんと初めてお仕事したのは舞台『リチャード三世』、50歳のとき。役者としての原点をつくってくれたのが浅利さん。それを応用できるようにしてくれたのが蜷川さんです。他の俳優が自分にないものをもっていると「チクショー」。多少の嫉妬心が向上心のもとです。

65歳のとき、胃がんが見つかった。
「実は明日、胃がんの手術をするんです」。手術前日、市村さんは蜷川さんに電話でそう伝えた。

「蜷川さんは驚きながらも、『僕も体にいろんな傷があるけど、傷を負ったことで今までとは違う発想が生まれるんだ。だから、いっちゃんも手術をした後に、何か違う市村に変わるかもしれないよ』と言ってくださいました。僕が『 「マクベス」の中の「明日、また明日、また明日」というセリフが言えるようになっちゃうかもしれませんね』と言うと、『そうだよ』って。その後、手術を終えて元気になったら、蜷川さんが『NINAGAWA・マクベス』を市村でやる、と言ってくださった。運命的なものを感じたし、僕の俳優人生の中でも本当に嬉しいことでした」

大切な言葉を指針としながら第一線を走り続け、2023年には役者生活50周年を迎える。

「50年って、すごいですよね(笑)。2月から上演予定のひとり芝居『市村座』では、50年間の思い出を語りながら、これまで出演したミュージカルのナンバーを歌います。50年間の集大成、ぜひご期待ください」

INFORMATION
市村正親ひとり芝居『市村座』
「口上、落語一人芝居、ミュージカル・メドレー、そして新曲も。僕のすべてをお魅せします」

〈東京〉2023年2月26日~28日/日生劇場 〈大阪〉3月3日/NHK大阪ホール 〈博多〉3月4日、5日/博多座 〈川越〉3月8日/ウェスタ川越 大ホール 〈仙台〉3月10日/仙台電力ホール 
問い合わせ/ホリプロチケットセンター☎03-3490-4949

PROFILE
市村正親さん
いちむら・まさちか●役者
1949年、埼玉県生まれ。俳優・西村晃さんの付き人を経て、73年に劇団四季の『イエス・キリスト=スーパースター』でデビュー。90年に退団して以降もミュージカルやひとり芝居など舞台を中心に活躍。近作に舞台『ミス・サイゴン』『スクルージ』など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年2月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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