岸谷五朗さんが60代を前に思うこととは?「〝還暦〞は生まれ変わりの時。今はその準備期間だと思っています」
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ゆうゆう編集部
関西弁は難しいけれど楽しい苦労!
2月9日には京都・南座で主演舞台『歌うシャイロック』が幕を開けた。盟友・寺脇康文さんと1994年に立ち上げた演劇ユニット「地球ゴージャス」では演出・脚本・出演もこなす岸谷さんだが、外部公演への出演は約14年ぶり、二度目となる。
本作は、喜劇の傑作として知られるシェイクスピアの『ヴェニスの商人』をもとにした音楽劇。しかも登場人物はすべて関西弁!
「関西弁によって、シェイクスピアがすごく身近に感じられるんです。俺は腹巻して雪駄で歩くし、大阪のおっちゃん・おばちゃんがドンチャン騒ぎするし、これがシェイクスピアの話なのかっていうくらい親近感がもてると思います」
岸谷さんにとっては2003年に出演したNHK連続テレビ小説「てるてる家族」以来、約20年ぶりの関西弁への挑戦となる。
「イントネーションを録音してもらったテープを聞いて、口に出して繰り返して。それでもわからないものは音符として、歌のメロディーのような感じで覚えます。関西出身ではない役者もいっぱいいるので、みんなすごく苦労しているんですけど、なんか楽しい苦労でもあるんですよね。言葉によって表現が変わるという面白さがありますから」
演出を手がけるのは、『月はどっちに出ている』でもタッグを組んだ鄭義信さん。
「『ヴェニスの商人』ではヒール役である悪徳高利貸しのシャイロック。でも彼自身が悪いわけではなくて、時代や国、差別などの背景が彼を悪人にしてしまった……。義信さんの世界観がプラスαとして加わることで、シェイクスピア喜劇の裏面にある悲劇が見えてきます」
シェイクスピア作品になじみのない人にもわかりやすく、シェイクスピア好きはまた違った角度から楽しめるエンターテインメント作品。
「歌あり踊りありのドタバタ人情喜劇でありながら、悲劇の部分も浮き彫りにされて、すごく切なくて悲しくて。喜怒哀楽を揺さぶられる作品になっていると思うので、ぜひ劇場に足を運んでください!」
プロフィール
岸谷五朗
きしたに・ごろう●俳優、タレント
1964年、東京都生まれ。83年、「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」に入団し、舞台を中心に活動をスタート。93年、主演映画『月はどっちに出ている』で数々の映画賞を受賞した。94年に俳優の寺脇康文さんとともに演劇ユニット「地球ゴージャス」を結成。演出や脚本も手がけるなど、幅広く活躍中。
INFORMATION
『歌うシャイロック』
ヴェニスに暮らす金貸しシャイロック( 岸谷五朗)は悪名高い高利貸しで町の嫌われ者。そんな父の姿に心を痛める一人娘のジェシカ(中村ゆり)は、恋人のロレンゾー(和田正人)と駆け落ちしてしまう。その頃、商人アントーニオ(渡部豪太)は、親友パッサーニオ(岡田義徳)のために自身の肉1ポンドを担保にシャイロックから金を借りるが……。
作・演出/鄭義信
出演/岸谷五朗、中村ゆり、岡田義徳、和田正人、渡部豪太、小川菜摘、駒木根隆介、福井晶一、マギー、真琴つばさ 他
●3月16日~26日/サンシャイン劇場(東京・池袋)
チケットホン松竹 ☎0570-000-489
チケットWeb松竹、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、CNプレイガイドにて発売中
公式サイト
※この記事は「ゆうゆう」2023年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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