山崎育三郎、7年ぶりの新作ミュージカルを語る。「子どもの頃に感じたミュージカルのワクワクを美しい歌にのせて届けたい」
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ゆうゆう編集部
どんな場所でも輝ける自分でありたい
目標達成を転機として、その後はドラマや映画などの映像作品にも進出。大ヒットドラマ「下町ロケット」、NHK連続テレビ小説「エール」など、次々と話題作への出演を果たした。さらに音楽番組やバラエティ番組にも活動のフィールドを広げたことで、お茶の間の認知度も一気にアップ。
「僕がテレビに出始めた頃は、皆さんがイメージしやすいように『ミュージカル俳優の山崎育三郎です』と言っていました。“ミュージカル俳優”という言葉がキーワードになって、多くの方に覚えていただけたと思います。ただ、この先はそうしたジャンル分けがなくなるといいなと思っているんです。
俳優さんでミュージカルに出られる方もいれば、芸人さんでドラマに出られる方もいる。その方が役にハマって、作品に必要であれば、ジャンルに関係なく呼ばれますよね。だから将来的には“ミュージカル俳優の”を外した“山崎育三郎”として、どんな仕事でも求められたことに応えられる自分でありたいし、どんな場所でも輝ける存在でありたいと思っています」
自ら“ミュージカル俳優”と名乗ることで業界の活性化にも貢献してきた。活躍の場が広がった今でも、根底にあるのは子どもの頃から変わらないミュージカルへの熱い想い。
「若いときは憧れの世界に入れたことが嬉しくて、ただがむしゃらで楽しくて。今はそのときとは少し違う感覚だけど、やっぱりミュージカルはワクワクするし、好きで好きでたまらない。むしろ、そういう気持ちがなくなったらやめようと思うんじゃないかな。ずっと同じ気持ちで好きなことを続けていられるのは幸せだなと思います」
とはいえ“生モノ”である舞台だからこそ、プレッシャーも大きいはず。失敗を恐れたり、落ち込んだりすることはないのかと問うと、まっすぐな目で「ありません」と言い切った。
「僕は基本的に、ダメな経験なんてひとつもなくて、自分自身と向き合うことが一番大事だと思っています。苦しいときって、つい人と比べてしまいがちですが、人と比べて勝っても何の自信にもなりません。負けたときには簡単にゼロになってしまうから。でも、以前できなかったことが努力してできるようになれば、自分自身に勝ったということ。自分との戦いの中で成長したことは、簡単には崩れません。だから自分としっかり向き合えていれば、失敗なんてないと思っているんです」