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【ガーデニング】失敗しないバラ選び。バラの色を選ぶときに気をつけることは? 色と大きさの関係も

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吉原美奈子

赤、白、ピンク、イエロー、パープル……。バラにはたくさんの花色がありますが、そもそも『薔薇色』とはどんな色を指すのか考えたことはありますか? 一説によると女性は薔薇色と聞くとピンクをイメージし、男性は赤と答えるとか。試しに20代の男性にたずねたところ「青」という答えが返ってきました。バラの色のイメージはやはり人それぞれのようです。あなたは何色のバラを選びますか。

バラ初心者でも上手くいく、同系色のグラデーション

花色が豊富にあるのもバラの大きな魅力です。中でも一番多く見られるのがピンクで、原種のバラにもピンクの花があり、バラの基本色の一つと言えるでしょう。

白のバラも種類が多く、日本人は清楚な白バラを特に好むともいわれています。赤と黄色も根強い人気で、赤は庭にポイントをつけたい時や、色で主張したいときにおすすめ。暗く濃い色調の赤は“黒バラ”と呼ばれ、独特の存在感を放ちます。

最近人気のアプリコットは他の色ともなじみやすく使い勝手のよい色と言えます。花色を選ぶ際は自分の直感を信じて好きな色を選ぶのが一番ですが、その際も大輪であるほど色が目立ち、花径が小さくなるほど、花弁数が少なくなるほど色が控えめになることも覚えておきましょう。また、品種によっては咲き進むにつれて色が変化したり、フェイディング(褪色)するものもありますが、それもはかなげでバラの美の一つととらえられています。

バラを数株選ぶ際は同系色のグラデーションでまとめると失敗が少なく、黄色と紫のような反対色の場合はどちらかを小輪にするとバランスよくまとまります。

次回も引き続き、バラの花色のお話です。

PINKピンク

色幅は非常に広く、白に近いパウダーピンクから濃いめのローズピンク、温かみのあるウォームピンク、青みをおびた紫ピンクなど色のニュアンスは多彩。複数のバラを植える際はピンクの濃淡でまとめたり、ピンクから紫へとグラデーションをつけるのも失敗のない方法です。‘ルイーズ オディエ’は紫がかったピンクのロゼット咲きのオールドローズで、甘く素敵な香りです。

【ガーデニング】失敗しないバラ選び。バラの色を選ぶときに気をつけることは? 色と大きさの関係も(画像2)

‘ルイーズ オディエ’(筆者撮影)

【ガーデニング】失敗しないバラ選び。バラの色を選ぶときに気をつけることは? 色と大きさの関係も(画像3)

ディープカップ咲きのピンクのバラ

WHITE 白

原種のノイバラが白であるように、白もバラの基本色といえます。強い色彩のバラの間にレイアウトすると色調をやわらげる効果も。ただし白のバラは雨に打たれると花弁にしみが目立つことがあるので、‘ヨハネパウロ2世’など、花弁質が丈夫な品種を選ぶとよいでしょう。‘アイスバーグ’は花色とセミダブルの優しい花形が世界中で愛され、名花として殿堂入りしたバラです。

【ガーデニング】失敗しないバラ選び。バラの色を選ぶときに気をつけることは? 色と大きさの関係も(画像4)

‘アイスバーグ’

YELLOW 黄

もともと黄色はバラにはない花色でしたが、19世紀末から交配の技術が進むにつれ、次々に美しい黄バラが誕生しました。黄色のバラは気分をパッと明るくしてくれる効果があります。ただ、黄バラと赤バラとの組み合わせには注意が必要で、どうしても赤と組み合わせたい場合は淡い黄色にするか、どちらかを一重や小輪にするとよいでしょう。‘天津乙女’は日本生まれのライトイエローのバラで海外でも植えられています。

【ガーデニング】失敗しないバラ選び。バラの色を選ぶときに気をつけることは? 色と大きさの関係も(画像5)

‘天津乙女’(筆者撮影)

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にぎやかに咲く黄バラ

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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ロゼットとは、地面に葉が放射状に広がるように生える植物の葉の形を指します。タンポポが代表的な姿です。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

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交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

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