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中森明菜さんデビュー3年目。「十戒」でツッパリを極める。「こういう曲は私にしか歌えない」

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濱口英樹

「十戒」のレコーディングではノリノリだった

新コンセプトでのヒットが続き、他のプロジェクトなら“シリーズ三部作”として、次も海外を舞台にしたシングルをリリースしそうなところ、島田氏はその予想を裏切ります。そう、ツッパリソングの集大成とも言える「十戒(1984)」を制作したのです。作曲・編曲にロック/フュージョン界のギタリスト、高中正義さんを起用したのも驚きをもって受け止められました。

その高中さんは期待通りのロックチューンを提供。インパクト抜群のイントロは共同でアレンジを手がけた萩田光雄さんのアイデアです。作詞は「少女A」(1982年7月)以来、ツッパリ路線を牽引してきた売野雅勇さん。このときは「発破かけたげる」「イライラするわ」「冗談じゃない」など、ハードなサウンドに負けない強めの啖呵をちりばめます。

島田氏いわく、「少女A」には拒否反応を示した明菜さんも「十戒」のレコーディングではノリノリだったとか。「こういう曲は私にしか歌えない」。2年の間にそんな自負を持つようになったのかもしれません。実際、キレのよいボーカルには聴く者をスカッとさせるカッコよさがありました。

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