『元敬(ウォンギョン)〜欲望の王妃〜』後半の見どころ 幽閉、飢饉、遷都…「恨まない、ブレない」王妃・元敬の強さに惹かれる【ネタバレあり】PR
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藤岡眞澄
その存在感とかっこよさ、生き方に共感できると話題の韓国歴史ドラマ『元敬(ウォンギョン)〜欲望の王妃〜』。王と仲直りした元敬ですが、その先にも数々の試練が待ち受けていました。王妃として、そして一人の女性として、自らの信念を貫く姿にますます引き込まれます。2026年8月1日(土)より、各動画配信サービスで見放題配信第2弾が順次スタート。後半13〜24話の見どころをレビューします。
※ネタバレを含みます
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>>「私は実家に帰ります!」王妃が王に啖呵を切る韓国ドラマ『元敬(ウォンギョン)〜欲望の王妃〜』が面白い。前半1〜12話レビュー【ネタバレあり】キャリアアップのためなら二枚舌、したたかな側室・チェリョン
1405年、漢陽(ハニャン 現・ソウル)。「私がつくる新しい朝鮮は、民が主だ」という理想を胸に、第3代王・太宗イ・バンウォン(イ・ヒョヌク)は開京(ケギョン)から都を遷した。
だが、「朝鮮建国の邪魔は消せ!」——。それが、父である初代王・太祖イ・ソンゲ(イ・ソンミン)が遷都にあたって出した条件。自分を殺そうとしたサイコパスな父のプレッシャーに煽られ、“強い王”を目指したバンウォンは、自らの権力を脅かす存在を排除し始める。
手始めが、王妃元敬(チャ・ジュヨン)の実家であるミン家の不正追及。バンウォンにとって、新たな建国の“邪魔”こそ、王座に就く後押しをしてくれたミン家だった。
王vs.ミン家、そして元敬を巻き込んでの権力闘争。その周辺には風見鶏さながら、虎視眈々と勝者にすり寄ろうとする王宮の権臣、側室たちがいた。
特に、王と王妃、それぞれの懐に片足ずつ突っ込んで、したたかに王室での生き残りを図る側室チェリョン(イ・イダム)の存在は、ドラマ後半のキーパーソンの一人。キャリアアップのためなら二枚舌——。こんな女性、ジェンダーフリーが進んだいまの時代にも思い当たるかも、とばかり背筋をゾクリとさせられる。
涙も隙も見せない、クールビューティー・元敬
王バンウォンが繰り出す1つ1つの企みを、元敬、ミン家、権臣、側室、それぞれの思惑でとらえ、対抗策を練る。キャラクターが抱く感情が緻密に計算され、コントロールされたサスペンス仕立てのイ・ヨンミの脚本が30分×24話を飽きさせない。
たとえば、ミン家は元敬が王妃になったことで、「これで一族安泰」と胸をなで下ろしていたはずだ。ところが、その目論見は外れる。
不正に入手した財産の没収、臣下だった弟たちの島流し、危機を察知してくれた隠密の惨殺……。
ついには感情の針が振り切れたような夫のいたぶりに対峙した元敬まで、身動きがとれないように寺に幽閉された。いったんタガが外れた人間の欲望には限りがない。
それでも、元敬は涙も隙も見せはしない。「ミン家出身の王妃と民の母である王妃、その2つは両立しない」と胸に募る悲痛な感情をねじ伏せた。
唇を真一文字に結び、射るような目で王と向き合うクールビューティー・元敬は、文句なくかっこいい。しかも、王を決して恨まず、袂を分かつこともないのだ。
そんな元敬のクレバーぶりとは対照的に、弟たちは隙だらけ。ミン家の権力や財力に執着し、右往左往する小賢しさが際立つ。人間の欲望はときに理性を失わせる。そんな弟たちを、元敬は見棄てる。
理性は元敬に、あくまでも“民の母である王妃”という存在でいることを求めたのだ。ブレない人だ。
朝鮮時代の衣装を見事に着こなす、王と王妃
王宮を追放された幽閉の日々。元敬は飢饉にあえぐ民に分け入り、役人の中抜きで救恤米が届いていないことを知るや、民に窮状を訴えさせ、王宮の米を供出するよう王を動かす。
民から湧き上がるのは、「王妃さま‼」の歓声。王妃が王であったなら、という民衆の待望があらわになった瞬間だ。
そんな元敬の父である家長のミン・ジェ(パク・ジイル)の死をもって、ミン家は衰亡。バンウォンを王にするために家門のすべてを賭けたミン家の思いは散った。
だが、このあたりを境に、バンウォンが執務の際に身に着けるコンリョンポ(袞龍袍)は、“青”から“紫のような赤”へと色を変える。
韓国の伝統的な「五方色」によれば、“青”は生命力や若さを象徴する色。一方、“紫”という色は、情熱、愛情や権威をあらわす“赤”と知恵や威厳を示す“黒”を交ぜた間色だ。
コンリョンポがバンウォンに、若気の至りは卒業し、今後は王としての思慮分別と王妃への愛を持て、と諭しているかのようだ。
バンウォンを演じたイ・ヒョヌクは、撮影中に印象に残ったエピソードとして「遺跡や観光地で撮影したとき、僕たちの衣装を見た一般の方々が、“王様だ”“王妃様が来た”と敬う(両掌を上に差し上げる)ようなリアクションをして下さったこと」と答えている。(※)
2人とも、それだけ朝鮮時代の衣装を着こなし、本人になりきって演技していた、ということなのだろう。
そして、元敬は心のよりどころを王子たちの成長、次に王位に就く人材の育成に移していく。
清新なイケメン登場!世宗の青年期を演じたパク・スオ
王が譲位しようとしたのは、世子である第1王子の譲寧大君(ムン・ソンヒョン)。王は世子に「(お前の母親は)まっすぐだ。定めた目標に一直線で進む、奇特な人だ」と本音のリスペクトを語る。
“こじらせ王”の面目躍如。だったら、妻である元敬本人に伝えればいいのに、と思うのは私だけだろうか。
だが、王の期待を裏切って、世子は狩りと酒、女、さらには賄賂も好む“ぼんぼん”だった。
一方、元敬の“推し”は、第3王子の忠寧大君(パク・スオ)。何より読書を好み、書から得た知識をもとに日々、朝鮮のあるべき未来を志向していた。
「民のために、陰に日向に奉仕したい」——。元敬は、若き日のバンウォンに感じた“渇望”を忠寧大君に見出し、王になる覚悟を問う。
王は初めて、王妃の先見性と政治的センスに素直に節を屈し、元敬“イチ推し”の忠寧大君を第4代王・世宗とする。
もはや王の心に、王妃への嫉妬は棲んではいない。バンウォンと元敬は、わが子に理想の次代を託すフツーの“父”と“母”になっていた。
若手俳優の登場が少ないこのドラマで、世宗の青年期を演じたパク・スオ(21歳)。その清新なイケメンぶりは、重苦しかった画面の空気を変えるために吹いた、爽やかな風だった。
キングメーカー・元敬 ラストシーンが物語るのは
そして、夫婦→政治的同志→王と王妃→父と母、と関係性が次々に変化していくさまを、元敬という一人の女性として演じきったチャ・ジュヨン。そのカリスマ性と大女優オーラは、ドラマ初主演とは思えないほど圧巻だった。
「ただ演技が上手ければいいわけではないというプレッシャーがずっとあった。それでも、誰かがやるならぜひ私がやりたい、誰よりも真心を込めて演じる自信があった。常に大胆に、自分が元敬王妃だと思って演じた」と、ドラマを放送したtvN×TVINGのインタビューに答えている。
バンウォンが王を退位した後、王と王妃としてあれだけ政治的対立の時間を過ごした2人が、だんだん年老いて、幸せな恋人同士だった若いころに戻っていくさまは何とも愛おしい。
最終話。重い病の母を王宮に連れ帰る道すがら、その死期が近いことを察した息子の世宗(イ・ジュニョン)は、夕陽差す草原に静かに座る母の前でひとり、舞ってみせる。
第1話では王宮での夫との舞、最終話は王となったわが子の舞。それを見ながら、理想の国づくりを安心して息子に託すことができた55歳の元敬は満足そうな表情を浮かべる。1話の舞はこのドラマの大事な伏線だったのだ。
ちなみに、世宗はハングルを創出し、朝鮮王朝第一の名君として32年間の在位を誇った。元敬は夫ばかりか、息子を名君に仕立てたキングメーカーでもあったのだ。
ラストシーンには思わず誰かと語り合いたくなる展開が待っている。だが、それはネタバレになってしまうので、ご自身の目で確かめてほしい。
ぜひ、ゆうゆうtime世代の夫のみなさんにも観て、考えていただきたい作品だ。
※出典/YouTube アジアプレミアム【公式】「チャ・ジュヨン&イ・ヒョヌク特別インタビュー」
『元敬〜欲望の王妃〜』
2026年8月1日(土)より各動画配信サービスで見放題第2弾順次開始
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※この記事はPLAN Kエンタテインメントの協力のもとに作成しました。
