記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】ロマンチックな流通名の花5選。植物の正式な名前を知っておこう!初心者に役立つ基礎知識

公開日

更新日

光武俊子

店頭に並ぶ花を図鑑やネットで探しても、なかなか見つけられないことがありませんか? そんなときはスマホの画像検索で花をパチリと写してみるのがおすすめです。ところが、あらら? 店頭の表示とは違う名前が出てきてびっくり! なぜ、こんなことになるのでしょう?

★冬の花おすすめ7選★

【ガーデニング】華やかな鉢植えを楽しむ。冬の花おすすすめ7選

花のニックネーム「流通名」を知っていますか?

園芸店の名札に書いてあった名前を図鑑で探しても見つからないことがあるのは、名札に書かれた名前が「流通名」だからです。流通名とは種苗会社や輸入業者、生産者や市場など(売る側)がつけた名前のこと。いわばニックネームです。

植物には世界共通の「学名」がありますが、これはラテン語なのでちょっと難しい。カタカナにするときも、ラテン語の発音にするか英語の読み方にするかで、ベネチアとベニスみたいに違ってきます。

冒頭の画像の植物の図鑑に載っている学名Leschenaultia(ラテン語発音のレケナウルティアか、英語読みのレシュノルティア)。オーストラリア原産の低木で草丈30~60㎝、10~4月の花の少ない時期に霜や凍結を避ければ咲き続けます。日本に導入されたのは1970年代ですが、花色がふえて「初恋草(ハツコイソウ)」という流通名で呼ばれ始めた1990年代から人気が出ました。

レケナウルティアよりハツコイソウのほうが、よっぽど覚えやすいしステキですよね。それで馴染みやすいニックネームがつけられますが、図鑑には載っていないので困ります。

そんなときはネットで「初恋草」と検索しましょう。学名やそのカタカナ読みも載っているサイトがきっと見つかるので、手間はかかるけれど図鑑でも調べられます。

ロマンチックな流通名ベスト5は?

ところで、流通名にはロマンチックなものが多いです。

第5位 サザンクロス

北半球では見られない星座、南十字星を意味する流通名学名Crowea(クロウエア)。これも南半球オーストラリア原産で星形の小花を咲かせることからついたのでしょう。半耐寒性の低木で暑さ寒さにやや弱いものの、5~11月にピンクや白の花を咲かせます。

第4位 ハンカチの花

熱帯アフリカなどに分布する低木。黄色い小花のまわりにある片(がくへん)が白く大きいことから、ついた流通名です。学名Mussaenda(ムッサエンダ)、コンロンカとも呼ばれます。鉢物で出回り、寒さに弱いので沖縄以外では地植え冬越しできません。

第3位 アンデスの乙女

ブラジル~アルゼンチンに分布する低木学名Senna corymbosa(センナ・コリンボサ)で旧名のカッシアで呼ばれることもあります。マメ科の植物らしい蝶のような黄色の花を、原産地の素朴な少女に例えたのでしょうか。乙女ながら暑さ寒さに強く育てやすい低木

第2位 愛のかんざし

オーストラリア原産の常緑低木樹高80~100㎝、学名Bauera rubioides(バウエラ・ルビオイデス)。エリカに似ているため「エリカモドキ」とも呼ばれます。冬と真夏以外は咲き続ける開花期の長さが魅力。暑さ寒さに強いので、日当たりに地植えもできます。

そして、第1位はもちろん初恋草! こうして原産地も見てみると、南半球原産で馴染みのない花にも親しんでもらおうとして、つけられた流通名なのかなと感じますね。

流通名とは、植物や園芸用品などが販売される際に使われる名称のことで、和名や学名とは異なり、親しみやすく覚えやすい名前が多いのが特徴です。同じ植物でも流通名が異なる場合があるため、ガーデニングを楽しむ際には商品ラベルや説明をよく確認することが重要です。流通名の活用により、植物の人気がさらに高まることもあります。

詳細を見る

地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

詳細を見る

原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

詳細を見る

冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

詳細を見る

一年草とは、発芽から開花、結実、枯死までのライフサイクルを1年以内で終える植物のことです。春にタネをまいて夏から秋に花を咲かせる「春まき一年草」と、秋にタネをまいて翌春から初夏に開花する「秋まき一年草」に分類されます。代表的な春まき一年草には、ヒマワリやコスモスがあります。短期間で生長し、華やかな花を楽しめるのが特徴です。

詳細を見る

種苗とは、植物を育てるために用いられる種子や苗や球根の総称で、ガーデニングでは花や野菜、果樹など多様な品目にわたって利用されます。良質な種苗を選ぶことで、発芽率や生長の安定性、病気への強さなどに差が出るため、育てる植物の性質や目的に合わせて選ぶことが大切です。また、地域に適した種苗を選ぶことで、より育てやすく失敗の少ないガーデニングが可能になります。

詳細を見る

樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

詳細を見る

学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

詳細を見る

萼とは、花の一番外側にある葉のような構造で、つぼみを保護する役割を果たします。多くの植物では緑色で硬く、花が咲いた後も果実の下に残ることが多く、花の構造や分類を理解するうえで重要な要素です。例えば、ナスの実の下部についている星形の部分が萼であり、種によっては目立たず早期に脱落するものもあります。また、ガクアジサイのように、萼が大きく発達して花のように見える装飾花となる場合も多くあります。

詳細を見る
画面トップへ移動