「シークレット・ガーデン」を一気見。魂の入れ替わりをキュートに振り切って演じたヒョンビンの演技が秀逸 6〜15話レビュー【韓国ドラマ】
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こうしてお互いの生まれ育った環境や立場のギャップを理解し、それでも前に進もうととする2人の前に何度も立ちはだかるのが、ジュウォンの母。「そこまで言う?」の罵詈雑言の限りを尽くし、ライムの心を挫けさせようとする。息子ジュウォンには財産、地位、権力、贅沢な暮らしをすべて捨てるなら好きにすればいい、と最後通牒を突きつける。
だが、反対されればされるほど燃え上がるのが恋というもの。初めはライムに向かって「人魚姫になって、いずれは泡となって消えてくれ」と上から目線の提案をしていたジュウォンだが、「私は人魚姫になれない。なぜなら人魚姫は王子様を愛していたから」と心を閉ざそうとするライムに、「僕が人魚姫になって。泡のように消える」と譲歩する。
2人が紡ぐ愛のツールになる童話「人魚姫」は、人魚姫が王子様を愛するがゆえ、その幸せを願って水の泡になって消える、という哀しい純愛物語。いずれどちらかが“自己犠牲”を払うことになるのでは?とラストを予感させる伏線の張り方が見事だ。しかもこのドラマ、1回目よりも2回、3回と見ることで、登場人物の心情やセリフの意味をより深く理解する醍醐味が味わえる。そして、また最初から見たくなる。
14話。尊敬する父を侮辱する言葉をジュウォンの母に投げつけられ、二度と会わないと心に決めたにもかかわらず、想いが断ち切れないライムの足はジュウォンの豪邸へと向かっていた。そこで行われていたのは、VIPパーティー。立ちすくむライムに「魔法をかけてあげる」と救いのエスコートしたのは、オスカーだった。鬼母に妨害される2人の純愛をそっと応援するオスカーの“オッパ(お兄ちゃん)”ぶりに心癒される。いい奴だ。
「体は離れても心は離れない。だから会いに来た。だけど人魚姫はイヤ。私は人魚姫にしかなれない?」とストレートに告白するライム。ライムのことを「こんなカッコいい女は他にいない」と知人に紹介するジュウォン。2人は大勢の招待客の前で、何度も熱いキスを交わす。
だが、幸せも束の間の雨の夜、2人の魂は再び入れ替わる。そんなタイミングで舞い込んできた、ライムのハリウッド映画最終オーディション進出の知らせ。ライム(魂はジュウォン)のオーディションが心配で付き添うジュウォン(魂はライム)は、急用でデパートに戻り、乗ったエレベーターに閉じ込められた瞬間、降り出した雨で魂が元に戻ってしまい、閉所恐怖症の発作で気を失う……。
いよいよ残り5話。伏線回収に向けて、狂言回しの役割を果たすのが、消防士として人の命を助けて亡くなった、というライムの父。「君にはすまないことをした。こうでもして娘を助けたい身勝手な父親をどうか許してくれ」とつぶやき、神秘ガーデンの薬酒に浮かぶその顔(6話)をお見逃しなく。
(※)参考:『韓国ドラマ「シークレット・ガーデン」オフィシャル・ガイド後編』(2012年6月12日発行/講談社)
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