「シークレット・ガーデン」を一気見。ヒョンビンが雨雲に向かって走り去る車の轟音を聞くだけで、涙が止まらない16〜20話【韓国ドラマ】
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19話。ジュウォンは書棚の愛読書『不思議の国のアリス』にはさまれた手紙に気づき、ライムが書いた“人魚姫はいずれ泡となって消える”というエピソードのあとに、自分で書き足したハッピー・エンドの物語を見つけ、ライムをどれほど深く愛し、幸せにしたかったかを確信する。と、その瞬間、過去の記憶が断片的に次々フラッシュバックして……。
消防士として人命救助の職責を果たし、自分を救ってくれたライムの父は、燃え盛る炎の中、ジュウォンに「ここを出たら娘に“すまない、父さんはほんとうに愛してる”と伝えてくれ、頼んだぞ」と言い残して、エレベーターとともに炎の地底に落下していった。
絶体絶命の危機の中、娘ライムへの最期のメッセージを見知らぬ青年(ジュウォン)に必死に託す父の娘への愛。息が詰まる。そして、ジュウォンにはライム父から託され、果たさなければならない大事な使命があった。そのメッセージを伝えるため、ジュウォンとライムは出会うべくして出会ったのだ。
“俺様御曹司”だったはずなのに、ライムのために命を投げ出そうとするジュウォンの無償の愛。男手ひとつでライムを育てた父の、娘への揺るぎなき尊い愛。この2つの愛こそ、このドラマを支える主旋律だ。
そして、ジュウォンの母ブノンの息子への不変の愛が、伴奏としてスパイスを加える。“冬彦さん”ではないが、母が息子を溺愛するシチュエーションは、韓ドラでも多く描かれる。でも、息子ジュウォンは、“マザコン冬彦さん”にはならなかった。
母ブノンに向かい、「僕は息子をやめます。残りの人生はライムの夫として生きます」とキッパリ宣言するのだ。結婚を強行すれば、財閥家のブランドや莫大な財産といったメリットを失い、後悔することもある、とビジネスライクに見通したうえで、「それでもライムを選ぶ」と判断し、実行する姿をきちんと描いたのが潔く、清々しい。
ドラマを見始めたときはいけ好かないお坊ちゃんキャラのジュウォンだったのに、トンチキ行動でライムに迫る姿に知らず知らず好感を抱き、見守り、もはや応援してしまう自分に気づくから、不思議だ。17話から流れるヒョンビンの『その男』の切ない低音ヴォイスの歌声も、母性本能をくすぐる。
ドラマのラスト、ジュウォンとライムが初めて出逢った場面が描かれる。そう、2人はこんなずっと昔に、ライム父の導きで出会っていたのだ。それは、運命だったのだ。
そして、運命と言えば……。20話ラストで、ソン・イェジンがほんの数分、カメオ出演している。12年後の2022年、ヒョンビンとソン・イェジンが結婚したことこそ、この『シークレット・ガーデン』が呼び起こした“運命”としか思えない。
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