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【料理家・五味幹子さんのキッチン拝見】DIYで棚を設置し、ストレスフリーな空間に

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ゆうゆう編集部

お気に入りに囲まれたキッチンで五味さんが開く料理教室の名前は、「ハレとケ」。日本では古くから、特別な日を「ハレ」、日常を「ケ」と呼んでいたが、五味さんは特に「ケ」を大事にしたいと言う。

「私が育った家はそれほど裕福ではなくて、ごちそうが食卓に並ぶことはほとんどありませんでした。だけど、母が毎日作ってくれるごくごく普通の家庭料理が本当においしくて、そのおかげで健康に育つことができたんだなと、大人になってからあらためて実感したんです。明日の自分を作るのは、『ケ』の食事。日本に古くから伝わる発酵食も取り入れながら、手早く作れて、おいしく、体に優しい料理をお伝えできたらいいなと思っています」

「ハレとケ」には、そんな五味さんの料理に惹かれた人たちが集っている。なかには10年前の開始当時から通い続けている生徒さんも。年齢層も幅広く、子育てが一段落した人もいれば、働きながら子育てをしている人もいて、手間なく作れておいしい五味さんの料理に助けられている人は多い。

「生徒さんに人気なのは手の込んだ料理よりも、『え⁉ これでいいの?』と思うような簡単な料理。でも、ハレの日の食事も大切にしてほしいので、季節に合わせてクリスマスのごちそうやお正月のおせち料理も教えています。なぜおせちを作るのか、そういったことも知ってもらえたらいいですね」

旬の野菜たっぷり。しみじみおいしい「ケ」のご飯

上/旬の食材のよさを生かすため、味つけはシンプルに。滋味深い五味さんの「ケ」の食卓。左/ご飯を炊く土鍋もお気に入り。「火加減を気にしなくても、ふっくらおいしく炊けるんです」

五味さんにとってキッチンは、仕事の場であると同時にプライベートの場でもある。とはいっても、料理の試作や企業から依頼されたレシピ制作などで忙しく、「ほぼ毎日、キッチンで仕事をしています」と笑う。

「最近は、今の時代に沿った正しい栄養についてお伝えできるよう、分子栄養学を学んでいます。そんなふうにいつも料理のことを考えているから、100%頭が休まる日はないのかもしれませんね。でも、全然苦じゃないんです。人に何かを伝えたり教えたりするのが好きだし、何より料理が好きだから。

試食係の夫は、レシピが完成するまで何度も同じものを食べさせられてかわいそうだけど(笑)、教室に通ってくださる方がいて、そして私の体が続く限り、このキッチンで料理教室をやっていきたいと思っています。おばあちゃんが教える料理教室も面白そうだと思いませんか? そのとき自分がどんな料理を作るのか、今から楽しみです」

※この記事は「ゆうゆう」2024年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

撮影/柴田和宣(主婦の友社) 取材・文/恩田貴子

※2024年2月23日に配信した記事を再編集しています。

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