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「オールイン」イ・ビョンホンとソン・ヘギョ 愛し合う2人が対照的に描かれる10〜16話【韓国ドラマ】

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marumi

逢えない時間がしっかり愛を育てるのだ

イナが、次々襲いかかる理不尽な運命に体を張って立ち向かうのとは対照的に、物語はソン・ヘギョ演じるスヨンが、愛するイナを静かに、静かに、待ち続ける姿を紡いでいく。海を見渡す岬で、修道院の小さな部屋で、日が暮れかけた教会で……。声も立てずにそっと涙を流すソン・ヘギョが美しく、愛おしい。“動”のイナと“静”のスヨン。愛し合う2人を対照的に描くことで、ドラマに厚みが生まれた、と思う。

さらに、急に目の前から消えても、連絡がとれなくなっても、お互いに思いを諦めない“愛の凄み”がこのドラマを支えている。

「お前だけは巻き添えにしたくなかった。黙って消えるのが、お前のためだと思った。愛しているからそう考えたんだ」「『俺のせいで不幸に……』と思うのはやめた。二度と独りにしない。お前を離さない」—— イ・ビョンホンの甘~い低音ヴォイスから繰り出される愛のセリフ。必殺!ものだ。2人にとって、逢えない時間がしっかり愛を育てるのだ。

そして、イナの男としての成長を支え、スヨンへの思いをやさしく見守るのが、実力派俳優ホ・ジュノ演じるチョングだ。

スヨンに思いが通じたことを報告するイナを満面の笑顔で抱き止め、ハイタッチするチョング。「スヨンを連れて逃げろ。幸せになれ」と助け船を出したのに、戻って撃たれた瀕死のイナに「どうして戻ってきたんだ」と叫び嘆くチョング。スヨンを忘れられない傷心で飲んだくれるイナに「そんなに死にたいなら死なせてやろうか」とピストルを突きつけるチョング。カジノに連れていき「お前が得意なことは2つしかない。ケンカとギャンブル」とイナの背中を押すチョング……。義理と人情に厚く、人間味あふれるチョングこそ、「オールイン」中盤の陰の主役だ。

13話。アメリカでようやく再会できたのに、「あんなにつらい愛は二度とできない」とイナを拒絶するスヨン。そんな彼女をイナが待ち続けたベンチにそっと置かれたオルゴールを見つけて、スヨンはイナの愛の深さに気づく。それは、2人の出会いのきっかけになり、スヨンが“愛する人”イナに手渡した母の形見のオルゴールだったのだ。イナは大事に持っていた。

済州島が舞台となる終盤。カジノの権利を巡る男たちの一世一代の勝負の行方は? そして、イナとスヨンの愛の行方は? オルゴールの奏でる音色とともに、その結末を見届けよう。

参考:(※1)(※2)ともに「もっと知りたい韓国ドラマvol.4 」(2001年10月5日発行/共同通信社)

※2023年10月21日に配信した記事を再編集しています。

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