記事ランキング マンガ 連載・特集

「手放す」ことで得た心の余裕。本田葉子さんが67歳から始めた小さな暮らし方

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

「手放す」ことで得た心の余裕。本田葉子さんが67歳から始めた小さな暮らし方

明るい6畳の和室が仕事部屋。「黒いモニターを2台置きたくなくてテレビは処分。不便はまったくありません」

人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。今回、登場いただくのは、イラストレーターの本田葉子さん。小田原に移住してから、2回目の「生活縮小」について伺います。

▼こちらもどうぞ▼

>>60歳目前に愛娘を喪い、ひとりに。パフューマーがこれからを見つめ直すために選んだ、30㎡の小さな部屋

Profile

本田葉子さん
イラストレーター●1955年、長野県生まれ。25歳で結婚し、1男1女をもうける。62歳で夫を見送り、都内から神奈川県小田原市へ移住。その後の暮らしを綴った著書『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(幻冬舎)が話題に。インスタグラムやブログも人気。

窓辺の足踏みミシンは母から、小引き出しは父から受け継いだもの。

小田原へ移住して6年。2回目の「生活の縮小」を

チャーミングなお人柄も、さりげないのに個性を感じられる着こなしも、ブログや著書で描かれるご自身のイラストそのもの! イラストレーターの本田葉子さんの、ひとり暮らしを始めてもうすぐ丸2年になる住まいを訪ねた。

40年近く連れ添った夫を見送ったことがきっかけとなり、2017年に都内から義母、長男、愛犬とともに小田原市へ移り住んだ本田さん。選んだ住まいは、3人それぞれが個室を持てる4DKの平屋の古民家。「なじみのある私鉄の沿線で、ペットも車椅子もOKで……と、現実的な条件で探した家で、こだわって選んだというわけではなかったんです」と言うが、「暮らしを小さくしたい」「高齢の義母と愛犬に心穏やかに過ごしてもらいたい」という本田さんの願いに小田原がフィットした。

在宅介護ののちに97歳で義母が旅立ち、翌年には16歳まで頑張った愛犬も天国へ。さらに長男が独立することになり、小田原に移り住んで6年目に本田さんはひとり暮らしとなる。「もうひと回りの生活の縮小」のための引っ越し先は、同じ小田原市内の集合住宅。すっかり「小田原LOVE」になっていた本田さんは、この街に住み続けることを選んだ。

「ほどよく田舎だけど交通の便がよくて、海が近くて散歩にも行ける。野菜や魚も新鮮でおいしいんです。茅ヶ崎に暮らす長女一家とちょうどいい距離を保てることも魅力でした。引っ越してきたこの部屋は、申し込んだらトントン拍子に入居できた築50年の公営住宅です。子どもの頃に住んでいた国鉄アパートが、まさにこんな感じ。懐かしさにホッとしたのと、これからの自分の暮らしのサイズにぴったりだと思いました」

4.5畳の寝室には、夫が使っていたひとりがけソファやリサイクルショップで見つけた和箪笥を置いて。隣の3畳の和室は丸ごとクローゼットに。

電子レンジの代わりにせいろが活躍。「この部屋、植物がよく育つの」と本田さん。水栽培しているアボカドがリズミカルに並ぶ。

画面トップへ移動