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【要約小説】名作のあらすじを読もう!

中原中也の『ランボオ詩集≪学校時代の詩≫』あらすじ紹介。ランボオの若き日々と詩に込められた感性の美しさとは?

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ゆうゆうtime編集部

若きランボオが詩に込めた青春の日々、多感な思い、そして鮮烈なビジョン。その詩句の中から、時に哲学的で時に夢想的な世界が広がります。彼の心の軌跡をご一緒に追いかけてみませんか?

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春の喜びと自然への憧れ

ランボー ジャン・ニコラ・アルチュール作の『ランボオ詩集≪学校時代の詩≫』は中原中也(なかはらちゅうや)の訳。巻頭にある『Ver erat』は、春の到来に心を躍らせる少年ランボオの様子が描かれています。厳格な教師や学校生活に束縛された日々の中で、自然の美しさに新たな興奮を見出していくのです。田園風景や鳥のさえずりに魅了され、詩人としての感性が目覚める様子が鮮烈なイメージで語られています。鳥たちがランボオを空へと連れ去り、詩人としての使命を与える幻想的な場面も登場。春と詩的なビジョンが混ざり合い、その鮮やかな世界が目の前に浮かび上がるようです。

天使と子供の交流

次に描かれるのは、天使と無垢な子どもの交流を描いた詩です。新年の到来とともに、天使が地上に降り立ち、母の祈りや喜び、そして子どもへの天上界への誘いが幻想的に描かれます。この詩では人間らしさと神聖さが交錯し、死と命の美しさが暗示される一方で、特有の温かみと哀しさを纏っています。子どもの純粋さを天使が愛し、その姿が天界へ昇る情景は、読者を感動の渦へと引き込みます。

神話に彩られた格闘

エルキュル(ヘラクレスのフランス語読み)とアケロユス河の神話的戦いを、ランボオはダイナミックに描き出します。エルキュルは洪水で荒れ狂う河を抑え込もうと戦いを挑みます。流れる川と英雄エルキュルの対決は、自然の猛威と人間の知恵・勇気が交差する壮大なテーマを表しています。そして勝利後の祝いでは英雄が称賛され、その風景は快く、読者に爽快感を与えます。

歴史・神話を織り込んだ叙事詩: 第四詩『ジュギュルタ王』

有名なヌミディアの王、ジュギュルタの物語に触発されて書かれた詩がこの『ジュギュルタ王』です。君主としての苦難と勇気、ローマに真っ向から対抗した彼の壮大な姿が印象的です。ランボオは、自らの視点を通してジュギュルタの栄光を描くだけでなく、時代そのものに挑むような力強い主張を託しています。このことで、詩への情熱と共に、政治や権力への鋭い洞察が垣間見えます。

イエスの純粋さを描く

最後は、幼きイエスが父ジョゼフの仕事を手伝う過程を描いた詩です。木を切ったり、材料を加工する幼い手には、イエスらしい完璧さと神聖さが見て取れます。しかし、母マリアとの温かい交流の描写からは、人間らしい彼の苦悩も感じられます。神聖でありながらも親子の愛を鮮やかに表現し、この詩には、ランボオの宗教的要素への独自の視点が強く現れています。

まとめ

『ランボオ詩集≪学校時代の詩≫』は、青年ランボオの感性と才能が光る作品集です。また、この詩集を日本語に訳したのが詩人・中原中也であるという点。彼ならではのリズムと感受性で訳しており、詩人から詩人への情熱のリレーとも言える味わい深さがあります。詩そのものは自然への賛美、神話的な壮大さ、そして人間の親密さが巧みに織り交ぜられ、それぞれの詩がさまざまなテーマで心に訴えかけます。若きランボオの想いが、生き生きと込められたこれらの詩は、青春そのもののエネルギーで満ちています。どこか懐かしさや新鮮さを感じさせてくれるでしょう。日常の中で、少し詩的な時間を持ちたい方にとって、この作品はまさに格好の選択肢です。

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※本記事の一部には自動生成による文章を含みますが、内容は編集者が確認・監修のうえで掲載しています。正確性には十分配慮していますが、最終的なご判断は公式情報等をご確認ください。

ランボオ詩集≪学校時代の詩≫

ランボー ジャン・ニコラ・アルチュール(著)
中原中也(訳)
青空文庫(刊)
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