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「犯人は話術のプロ」60代女性を狙う詐欺の最新手口と防犯アドバイザーが教える撃退法

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ゆうゆう編集部

「怪しい」と思ったら、ご近所と情報共有を

不審な電話や訪問を撃退できたとしても、それで終わりではありません。その「怪しい」という情報を、ぜひ地域で共有してほしいと京師さんは訴えます。
「警察に通報するなんて大げさな、とためらう気持ちは分かります。でも、その一本の電話が、町全体の安全を守ることにつながるのです。通報があれば警察も重点的にパトロールしてくれますし、パトカーを頻繁に見かけるようになれば、犯罪者は『この町は警戒されている』と判断し、寄り付かなくなります」
警察への相談は、緊急でなければ「#9110」の警察相談専用電話にかければ、気兼ねなく話を聞いてもらえます。
さらに、ご近所付き合いも強力な防犯対策になります。「うちにもこんな業者が来たよ」と情報交換することで、地域全体の防犯意識が高まります。
「犯罪者が一番嫌うのは『人の目』です。普段からすれ違う人に『こんにちは』『いいお天気ですね』と挨拶を交わす習慣のある町は、犯罪者にとって非常に居心地が悪い。自分の顔を覚えられたくないからです。挨拶という簡単なコミュニケーションが、町を犯罪から遠ざけるのです」
まずは自分の家を守る。そして、その意識が町全体に広がれば、犯罪者が近寄りがたい、安全な地域を自分たちの手で作り上げていくことができるのです。

玄関先の「小さな違和感」は見逃さないで

ひと昔前は、ガスメーターや表札に書かれた謎の数字やアルファベットが「マーキング」として知られていました。しかし、その手口も進化しています。
「最近は、文字ではなく、絵や記号で情報を残す『象形文字』のようなマーキングが増えています。たとえば、五輪マークのような円が重なった図は『お金持ち』、ダイヤモンドと三角のマークは『宝石を持つ高齢女性の一人暮らし』といった具合です」
さらに、20年ほど前に流行した原始的な手口もリバイバルしているとのこと。門柱の上に石が置かれていたり、郵便受けに落ち葉が挟まっていたり。こうした「ちょっとした違和感」は、住人の在宅時間などを探るためのサインかもしれません。

そして、最も現代的なのが、SNSを悪用した手口です。
「ある日、玄関の前にカニやクワガタが置かれている。驚いて『玄関にカニがいた!』と写真を撮ってSNSに投稿すると、犯人はそれを待っています。ハッシュタグで検索し、あなたのアカウントを特定。投稿内容からあなたの生活水準や行動パターン、旅行で家を空ける時期まで把握し、空き巣に入るのです」

玄関先に不審な物やマーキングを見つけたら、まず写真を撮って証拠を残し、警察に通報しましょう。その後、マーキングは消し、置かれた物は処分してください。決してSNSには投稿しないこと。正しい行動が、あなた自身を守ることになります。

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