「ミニマリストなら手放さなければ…」に追い詰められた日々。自分らしさを取り戻せた”ゆるミニマリズム”とは?
自分らしい“持たない暮らし”を楽しんでいる方の実例を紹介します。話題の新刊『捨てて、やめてラクになる 私らしい「持たない暮らし」』から抜粋してお届けするのは、maiさん。大切なもの、やりたいことに集中するために不要なものを手放し、シンプルで心地よい日々を実践しています。
PROFILE
maiさん
看護師として働きながら、自身のミニマルライフをYouTubeチャンネルや音声配信プラットフォームVoicyにて配信中。賃貸1LDKに夫、娘(1歳)、犬とともに暮らす。
Instagram:@mai.minimalism
YouTube:https://www.youtube.com/@mai.minimalism
極限までものを減らした経験があるからこそ、ゆるいミニマリズムの今がいちばん幸せです
「ミニマリストと思われたい」。ストレスと不便に悩まされた日々
1LDKに家族で暮らしているにもかかわらず、maiさんの部屋にはほとんどものがありません。それでも、少し前まではさらに少なかったというから驚きです。
「ミニマリストの夫と出会い、ものが少ないほうが掃除や片づけがラクになると気づいたのです。念願のすっきり暮らしを手に入れるべく、ものを処分。
これをやらなきゃ、あれを片づけなきゃ、と常に何かに追われている感覚がスッとなくなった状態はとても快適でした。
家事の負担がほとんどないから、『さぁ、今から何をしよう?』と前向きに物事に取り組めるようになりました。逆に暇になりすぎて、“やりたいことの見つけ方”をネットで検索していた時期もあったくらいです」
まとまった時間ができたことで、動画配信を始めたmaiさん。でも今度は「ミニマリストと思われなければ」というプレッシャーに追い詰められることになります。
「ものを減らすことに熱中しすぎたのです。捨てるものはないか?とゴミ袋を持って家じゅうをウロウロするほどに…。大切な思い出の品も心を鬼にして手放し、頂きものですらも嫌悪するような生活。
『ミニマリストならこれは持っていないはず』『フォロワーに認めてもらわなければ』と自分を追い詰めていた面もあると思います」
判断基準は「必要かそうでないか」ではなく、「ものの数が増えるか増えないか」。ものを増やさないために「おしゃれはしない」「遊びに行かない」「不便でも仕方ない」と諦め、そのうち快適さよりもストレスが勝るようになってしまったといいます。
「本当はキャンプをやりたいのに、ものが増えるからできないと思い込んでいました。やりたいことがあっても行動に移せない。このままじゃダメだ、変わらなければ!と思いきってデイキャンプに挑戦しました。
持参したのは小さな焚き火台とレジャーシートだけ。それでも想像していた以上に楽しく、幸せを感じられました。それからすぐ、ものの数にとらわれるのはやめました。周囲の目は気にせず、私なりの頑張らないミニマリズムを発信しようと思えるようになったのです。
徹底してものを手放していた頃より今のほうが、心から暮らしを楽しめていると断言できます」
