【50代からの着物の愉しみ方】「中年体形には洋服よりも着物が似合う」洗える素材で居酒屋やカラオケにも!
着物に憧れていても、着付けが大変、ルールが難しいと二の足を踏んでいる方も多いのでは。もっと気軽に、自分らしく、着物を愉しむ方のお話を伺いました。今回は漫画家・エッセイストの安彦麻理絵さんです。
安彦麻理絵さん 漫画家・エッセイスト
あびこ・まりえ●1969年山形県生まれ。
89年「ガロ」からデビュー。著書に『再婚一直線!』『ババア★レッスン』『生理終了!と思ったら。更年期メンタル、私なりの付き合い方』など。
2男2女の母。趣味は着物と怪談。
コーディネートが愉しく、沼にハマりました
「これ、微妙にストレッチが利いていて動きやすいんです。シワになりにくく、家で洗濯もできるんですよ」
今日の着物について話す漫画家の安彦麻理絵さん。仕事で人前に出るときだけでなく、居酒屋、カラオケなど普段のお出かけにも着物を愛用。今では和服姿が板についている安彦さんだが、成人式でも振袖を着なかったほど着物とは無縁の生活だった。
「きっかけは10年前の二男の卒園式。着物で参列するお母さんがいて、その女っぷりに、洋服姿の私は『負けた』と思ったんです(笑)。しかも自分で着付けしたと聞いて、私もあんなふうにかっこよく着てみたいと」
40代半ばにしてゼロから着物ライフをスタート。
「本やネットで、着物の種類やTPOなど基本的なルールを学び、最初に買ったのが、木綿の着物。仕立て代込みで5万円ほどでした。その後、義母から塩沢紬を譲り受けるなどして枚数を増やしていきました」
義母の着物を自分流にコーデ
着付け教室にも通った。
「着物スタイリストの石田節子先生の教室で3回コースを受講し、何とか自分で着られるように。当初はとにかく場数を踏まなきゃとスーパーや区役所にも着物で出かけました」
こんな初心者あるある、な失敗も。
「居酒屋で友人と上機嫌で飲んでいたら、途中で気分が悪くなり、吐いちゃって。着崩れしないように伊達締めをきつく締めすぎていたんです」
つらい経験をしながらも、「“着物沼”にハマっていきました」と笑う。
「着物って、この帯にこの帯締め、といろんなコーディネートを楽しめるでしょ。半襟も白ではなく刺繍を施したクリーム色のものだと今風の印象になったり。実は今日の草履も、ネットで好みの鼻緒を見つけて購入し、履物店で土台だけ買って鼻緒をすげてもらいました。凝りだすとキリがないのが、着物の沼です(笑)」
