【豊臣兄弟!】政略結婚させられた市(宮﨑あおい)と慶(吉岡里帆)、二人に幸せな未来はあるのか?
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志賀佳織
第14回「絶対絶命!」
第14回は信長の「絶体絶命」、いわゆる「金ヶ崎の退き口(のきくち)」と呼ばれる出来事が描かれた回である。浅井の裏切りを、信長はにわかには信じられなかった。脳裏には数日前に相撲を取った日のことが浮かんでくる。さらには、かつて弟・織田信勝(のぶかつ/中沢元紀)に謀反を起こされたときのことがよみがえる。またしても自分は弟に裏切られたというショックが大きく、信長は激しく取り乱す。
ただちに小谷城を総攻めにして、浅井を皆殺しにせよと命じるが、それでは朝倉に背を向けることになり、敵の思うつぼだ。しかし退くにしても、朝倉・浅井の追っ手を食い止めながら退くのは至難の業だった。そのとき、藤吉郎が刀で自分の足を傷つけて、わざとけがをする。これで自分は動けなくなったから、ここに残って時間を稼ぐ。その間に殿は京へ向かって逃げてください、殿さえ生きていてくだされば、いつかまた戦はやり直せるというのである。信長はその申し出を受け入れ、藤吉郎に二刻(ふたとき=約4時間)だけ敵を食い止め、すぐに後を追うように命じたのだった。
この事態を予見していた竹中半兵衛(はんべえ/菅田将暉)は、金ヶ崎周辺の地形を書き留めていた。数で劣る藤吉郎たちが戦うには狭い場所でないといけないとして、地図上でいくつかの候補地を示して、各所に兵を分けて敵を待ち伏せする作戦を提案した。
藤吉郎とその家臣たちは金ヶ崎城内で松明(たいまつ)に火をつける。それはちょうど二刻で燃え尽きることになっており、現在の燃え方から残された時間は一刻半であることがわかった。それまで自分たちが敵を引きつけておけば、信長は無事に京へ逃げ切ることができるのだ。
朝倉軍は信長が逃げたと知ると、信長を追って山道を攻めてきた。小一郎たちは朝倉軍に追いつかれてしまう。しかしそのとき、朝倉軍の後ろで巨木が倒れて道が塞がれる。蜂須賀正勝(まさかつ/高橋努)ら川並衆が助けに来てくれたのだった。さらに道の両側からは、藤吉郎の一行が弓矢を射かけた。朝倉軍の指揮官を打ち落とすが、さらに敵兵の攻撃は続く。
足にけがを負った藤吉郎はじめ、小一郎、半兵衛も戦い続けたが、そこへついに浅井軍が現れた。「なぜこんなことをしたのか」と必死で呼びかける小一郎らに対して、長政は無言で、彼らに向けて鉄砲を放てと兵に命じる。万事休す、これで一巻の終わりだと彼らが観念したところへ、頭上から先に鉄砲の銃声が響き、浅井の軍勢が次々と倒れてしまう。攻撃の主を見ると、それは明智光秀一行だった。そのとき松明の火が消える。ちょうど二刻が過ぎたのだ。それを見て、彼らも急ぎ京を目指す。
その頃、二条御所で足利義昭は浅井の謀反を知ると、信長の命はもうないだろうと決め、浅井と朝倉への文書をしたためる。ところが、傷だらけになった信長が帰還する。事態を詫びながらも、「態勢を整えしだい、すぐに討って出ますれば、ご安心くだされ」と言う信長の言葉にたじろいた義昭は、「それは頼もしい限りじゃ」と答えるのが精一杯であった。
小一郎たちの留守を守る家では、出陣のときに「指のとげが抜けない。何か嫌な予感がする」と言っていた母・なか(坂井真紀)が、とげが抜けたと喜ぶ。その場に居合わせた慶に「よかったわぁ。あんたはきっと、私たちにええことを運んでくれる弁天様なんじゃわ」と喜びにあふれながら伝えて、慶を戸惑わせる。
小一郎たちもやっと京に戻ってきた。「遅いぞ、サルども! 待ちくたびれたわ」という信長に挨拶をしつつ、藤吉郎はついに気を失って倒れてしまう。すると奥の襖が開いて、信長の用意した京都中の名医と薬師が姿を現した。「安心せい。お前は死なせぬ。お主たちもじゃ」
小谷城では、浅井長政の帰還を「ご無事のお戻り、何よりでござりまする」と市が頭を下げて出迎える。すると長政は、市が最も気になっているだろうことを報告する。「織田殿もご無事じゃ」。そしてこう続けるのだった。「そなたを織田に帰す」
さまざまな人間関係において腹の探り合いばかりがなされるなか、少々、単細胞に描かれ過ぎかな、と思わなくもない小一郎、藤吉郎兄弟のまっすぐな性格が、気持ちよく光る。その彼らの放つ光が周りをどう変えていくのか、いかないのか。そろそろ開始から4カ月になろうとしている物語、ますます面白くなってきた。
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