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【豊臣兄弟!】政略結婚させられた市(宮﨑あおい)と慶(吉岡里帆)、二人に幸せな未来はあるのか?

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志賀佳織

【豊臣兄弟!】政略結婚させられた市(宮﨑あおい)と慶(吉岡里帆)、二人に幸せな未来はあるのか?

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第13回「疑惑の花嫁」と第14回「絶対絶命!」です。

戦国時代、敵の動きを牽制するために、娘を嫁がせたり、子どもを人質に出したり、ということは日常茶飯に行われていたのだと思う。その時代にあれば「そういうものだ」と受け止められたのかもしれないが、とはいえ、生身の人間である。幼くて事情がよく呑み込めないというのであればともかく、ある程度の年齢になってそのような役割を課されることは、どのような気持ちだったのだろう。

たとえば、政略結婚させられる女性の場合。実家の思いを背負って嫁ぐのであるから、きっと実家への思いは強いはずだ。しかし一旦嫁した以上は婚家の人間であるのだから、その家の嫁として夫やその親族の意思に従うものという気持ちもあったかもしれない。そしてその両家が戦となった場合には、どのような思いを抱いたのだろうか。

織田信長(小栗旬)の妹・市(いち/宮﨑あおい)は、まさにそのような運命を背負わされた。浅井長政(ながまさ/中島歩)と政略結婚ながら気持ちが通じ合って、ようやく幸せに暮らす市に、今回、その足元を揺さぶるような出来事が起き始める。さらに、小一郎との結婚を命じられた安藤守就(もりなり/田中哲司)の娘である慶(ちか/吉岡里帆)の身の上にも。

天下一統を目指す信長の勢いとともに、物語は市をはじめ、小一郎(仲野太賀)・藤吉郎(池松壮亮)兄弟の人生も大きく揺さぶっていく方向に進んでいく。

【豊臣兄弟!】政略結婚させられた市(宮﨑あおい)と慶(吉岡里帆)、二人に幸せな未来はあるのか?(画像2)

市(宮﨑あおい)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第14回より ©️NHK

第13回「疑惑の花嫁」

第12回で突然、主である織田信長より、慶との結婚を命じられた小一郎は、これを受け入れた。「ようやった!」と、安藤との縁ができたことを単純に喜ぶ藤吉郎を後目に、寧々(ねね/浜辺美波)をはじめとする木下家の面々は、一様に戸惑いを隠せない。しかし小一郎は、「わしは直(なお/白石聖)の思いに応えられるような強い男になりたい。そのためには、どんなときも支え合う身内は欠かせぬと、皆を見て思うたんじゃ。皆が羨ましく思えた。じゃから、この縁談はわしの望みじゃ」と言い切る。

それを聞いて「祝言を」と盛り上がる家族に、小一郎は「祝言はせぬ」と告げる。慶も夫を亡くしているので、もう祝言はしたくないと言っていると言うのだ。寧々は、そんな小一郎を心配する。それは、慶の評判がよろしくないことが原因だった。なんでも寧々は、慶が一目を避けて男と会う姿を目撃していて、慶には「男を銭で買いあさる女狐」という噂が立っていることを知っていたからだった。しかし数日後、慶は小一郎のもとに嫁いできた。慶の表情は固く、「(小一郎に)不満などございませぬ。私はこのめぐりあわせに感謝しておりまする」と言うが、皆はその本心が読めない。

二人きりになった小一郎は、ともに飲もうと勧めて、あれこれと気を遣う。ちょうどそのとき、前田利家(としいえ/大東駿介)が藤吉郎に慶の素性を明かしていた。いわく、慶の夫はかつて斎藤家に仕えた重臣で、それが稲葉山の戦いで討ち死にした。ゆえに、彼女にとってわれら織田勢は仇だと言うのだ。しかもその敗因は、父たちが織田に寝返ったことにある。そして、そのきっかけを作ったのが小一郎なのだと。

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前田利家(大東駿介)、藤吉郎(池松壮亮)、寧々(ねね/浜辺美波)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

それを聞いた藤吉郎と寧々は、毒でも盛られかねないと、小一郎たちのもとに踏み込んでくる。そんな藤吉郎を追い返した小一郎は、改めて慶と打ち解けようとするが、慶は本心を現して本音を漏らしてくる。「でもご安心ください。私はあなたに復讐しようなどとは考えておりませぬ。そのようなことをすれば生きていけませぬゆえ。この身はあなたに差し出します。でも心は、お前たち織田の者には指一本触れさせぬ!」

そんな慶に、小一郎は静かに尋ねる。「町でよそ者の男と会うておるのは何のためじゃ」。慶は冷めた口調でこう返す。「男と女が会うてすることは決まっておろう。残念であったな。私はお前ひとりのものにはならぬ」。小一郎は相手の挑発には乗らず、ひたすら穏やかに答えるのだった。「心配はいらぬ。そなたがわしを許してくれるまで、わしも何も求めん。じゃから、バカな真似はするな。もっと自分を大切にいたせ」

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慶(吉岡里帆)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

その頃、明智光秀(みつひで/要潤)が、織田信長のもとを訪れた。信長は光秀に、足利義昭(よしあき/尾上右近)が元号を改めるよう、朝廷に奏上したということを耳にしたが、それは本当かと尋ねる。光秀は素直に認め、「幕府を元の権威ある姿に戻し、亀のように長く生き続けることを願って『元亀(げんき)』としてはどうかと」と答えるが、そんな光秀に「私は好まぬ。ほかのものにせよ」と信長は圧を加える。「まさか、わしに何の相談もなく、勝手に決めたことを知らせに参っただけではあるまいな」。狼狽する光秀は、「いえ、決してそのようなつもりでは。しかし、公方(くぼう)様のお選びになられた元亀は、朝廷からもよきものであると」

その言葉を打ち消すように、信長はもう一度言うのだった。「わしは好まぬ。公方様にそう伝えよ。それと、これより諸国大名とのやり取りはすべて、この信長に相談していただこう」。永禄13(1570)年1月、信長は足利義昭に、五か条からなる幕府への要望書を送った。明らかに義昭を牽制し上に立とうとする内容に奉公衆(ほうこうしゅう)はいきり立つが、義昭はこれを呑んだ。

やり場のない鬱屈した思いを吐き出すように、庭の藤戸石(ふじといし)に何度も刀を振り下ろす義昭。信長が自身の権威を示すために運び込んだこの石を何度も斬りつけるうち、ついに刀は折れてしまう。「光秀、わしに刀の使い方を教えてくれ。わしは強うなりたい」と震える声で言う義昭に、「お任せください」と、やはり悔しさを滲ませて光秀は答えるのだった。

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足利義昭(尾上右近)、明智光秀(要潤)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

やがて本能寺の変を起こす光秀が、どうやって信長に対する恨みを募らせていったのか、前回あたりから少しずつ少しずつ、伏線が敷かれているのがわかる。居丈高にふるまわれたり、無理難題を呑まされたり、屈辱を味わわせられたり。それをうまくあしらえない生真面目さを要潤が、世間知らずのお殿様的な雰囲気を尾上右近が、非常にうまく演じている。

そんなある日、近江の常楽寺(じょうらくじ)で、信長は家臣の前で浅井長政と相撲を取った。信長は何度も長政に試合を挑むが、信長の力の前に長政は全く歯が立たなかった。「つい楽しくてのう。またこうして弟と相撲が取れるとは思ってもみなかった」と、信長は感慨深げにつぶやきながらも、「われらはこれより、公方様の命により若狭に出陣する。石山城の武藤友益(ともます)を討てと、公方様からの御下知(おげち)じゃ」と告げる。

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織田信長(小栗旬)、浅井長政(中島歩)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

武藤は裏で朝倉と通じていること、そして今回の出陣の真の狙いは朝倉討伐だと言われた長政は戸惑い、「われらは朝倉とは古くからのよしみでございます」と絞り出すように答える。しかし、反対する家臣を説き伏せましょうと信長に伝えた。信長は、この戦で浅井家は幕府軍に加勢する必要はない、後方の守りに努めよと告げる。そうすれば、人質に取られている長政の息子・万福丸(まんぷくまる)の命も安泰、必ず万福丸を救出するとも約束した。この戦が終わったら、またともに相撲を取ろうとも。

永禄13(1570)年4月20日、信長は二条御所に入り、総勢3万の幕府軍を率いて若狭に向けて出発した。小一郎、藤吉郎のほか、柴田勝家(山口馬木也)、松永久秀(竹中直人)、徳川家康(松下洸平)などがともに向かった。

【豊臣兄弟!】政略結婚させられた市(宮﨑あおい)と慶(吉岡里帆)、二人に幸せな未来はあるのか?(画像7)

小一郎(仲野太賀)ほか/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第13回より ©️NHK

その頃、小谷城では長政が軍議を開いていた。今回の戦は様子を見ると長政が言うと、家臣たちは反対する。そこへ父・浅井久政(ひさまさ/榎木孝明)と朝倉景鏡(かげあきら/池内万作)が現れた。長政は、今からでも将軍に従い、主である朝倉義景(かげあき/鶴見慎吾)を上洛させよと進言するが、景鏡はこれを拒否。久政も、万福丸を見捨てるのか、こうなったのも市のせいだと息子に迫るも、「市には指一本触れさせぬぞ」と長政も譲らない。

信長が率いる幕府軍は数日のうちに、若狭の武藤を破り、朝倉方の城を次々と攻め落として、金ヶ崎城に陣を置いた。翌朝は朝倉の本拠地である一乗谷への進軍をしようというとき、信長は小一郎、藤吉郎を呼び出し、一乗谷に乗り込んだら万福丸を助け出すように命じる。しかし、そこに柴田勝家が取り乱して駆け込んでくる。「殿、たった今、わが忍びからの知らせが。浅井長政、謀反にござります!」

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