入手困難の大人気ビオラ‘すみれ図鑑’はどう生まれた?「グリーンに見える色」の秘密と誕生ストーリー
多種多様な花色や花形で私たちを魅了し、選ぶ楽しみが尽きないビオラ。多くの花が登場しているなかで、いま話題をさらっているのが、ビオラ‘すみれ図鑑’です。この花を生み出した石川周太さんに、その誕生までのストーリーをうかがいました。
石川周太さん
いしかわ・しゅうた●神奈川県の園芸店「グリーンファーム金沢本店」に勤務し、20年以上にわたって園芸に携わる。個人のインスタグラムのほか、幅広いテーマを取り上げて情報発信をしているハイポネックス ジャパンのYouTube「石川しゅーたの花が100 倍好きになる!」も大人気。
Instagram @shutaishikawa
YouTube「石川しゅーたの花が100 倍好きになる!」https://www.youtube.com/playlist?list=PLxSecB2S2YsKpqKxvCECGHCI0yBBF5xjl
争奪戦を生んだグリーンのビオラ
2024年のプレ販売時からビオラ愛好家の間で大きな話題を呼び、入手困難になるほどの人気を博したビオラ‘すみれ図鑑’。その花が放つ独特のグリーンという色合いは、多くの人に驚きと感動を与え、発売直後から高い人気を集める存在となりました。人々を惹きつけるその花を生み出したのが、石川周太さんです。
「写真を見た人から、“画像の色を加工しているんですか?”と聞かれたことがあります。もちろんそんなことはしていないですよ(笑)。個体差はあるものの、花の色変わりがすごくて、その咲き途中にグリーンが出るんです。ただ、ビオラの花びらには緑色の色素(葉緑素)がほとんど含まれていないそうです。‘すみれ図鑑’の花がグリーンに見えるのは、青色と黄色の色素が重なり合い、その反射光を人間の目が緑色として認識しているためなのです」
そう話す石川さんは、普段は園芸店に勤務しているという、育種家としては異色の経歴をもちます。長く資材部や花担当のバイヤーとして経験を積み、ECサイトの担当に。花農家や育種家のもとを訪ねて話を聞く機会が増えたことで、育種の奥深い世界を知るようになりました。
「最初に行ったのは、人気のビオラ‘華あられ’やパンジー‘シエルブリエ’を作出した花日和さんです。育種家の川上竜一さんの話を聞いて、こういう世界があるんだ、と思いましたね。興味本位で“どうやってやるんですか?”と聞いてみたら、目の前で説明してくれたんです。これはおもしろいなと思いましたね」
