【ラストマン】を田幸和歌子が語る。TBS日曜劇場らしい作品復活の気配! 福山雅治と大泉洋の名バディ誕生
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田幸和歌子
しかし、そのとき、心太朗は聞き覚えのある白杖の音から皆実の姿に気付く。止まれと脅しても、皆実は一向に歩を止めない。全盲で、英輔に暴行された皆実なら、英輔は油断しているため、英輔を止められるのは自分だけだと確信していたのだ。
やはり皆実を撃つことができなかった渋谷に、皆実は「やはり優しいですね。あなたは私を殺さなかった。残り1発です」と言い、銃と起爆スイッチを取り上げ、心太朗が逮捕する。
起爆スイッチを送った理由を問われた英輔が、何もできない自分が感謝されて嬉しかったと言うと、心太朗はその身勝手さに激怒。しかし、皆実は優しく語りかける。
「渋谷さん。確かに今の社会は、弱い人はいらないという考え方です。でも、排除された人たちにも、やれることはあります。それを見つけ出すのは、とてつもなく大変なことですが、助けてくれる人は必ずいます。私は多くの人に助けられて生きてきました、世の中には不必要な人間なんていないんです」
このセリフには、惨たらしい犯罪も政治も含め、「弱者切り捨て」の現代への批判が見える。かと思えば、優しい言葉をかけたことが意外だと心太朗に指摘されると、あっけらかんと言ってのける。
「あれは、マイクの先にいる人たちに向けたんですよ。ああいうの好きでしょ、日本人は。これで私の好感度は爆上がりです」「ハンディキャップのある人が全員聖人君子だと思ったら大間違い」
誰も耳を傾けなかった皆実を信じた心太朗ーー食えない皆実と振り回される心太朗の名バディの誕生だ。個人的には、皆実と心太朗の配役が逆でも面白かった気がするが、ともあれ久しぶりにTBS日曜劇場らしい作品の復活の気配が漂う第1話だった。
日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』TBS系毎週日曜よる9時〜