【医師チャ・ジョンスク】ロイ先生(ミン・ウヒョク)のキラーワードに胸キュン。9〜12話【韓国ドラマ】
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marumi
マチュア世代が全力で応援したくなるドラマがいま、話題です。20年間の専業主婦生活を経て、ある出来事をきっかけに、1年目のレジデント(研修医)に挑戦する女性の物語。韓国ドラマ『医師チャ・ジョンスク』は、2023年4月からNetflixで独占配信中。全16話のうちの、9〜12話について紹介しましょう。(ネタバレを含みます)
1〜4話についてはこちら 【医師チャ・ジョンスク】にハマる人続々!胸がスカッとして元気になれる! 1〜4話5〜8話についてはこちらをどうぞ 【医師チャ・ジョンスク】大ヒット! 夫(キム・ビョンチョル)がクズなのにコミカルな名演技でなぜか憎めない 5〜8話
勤め先である大学病院の障碍者専用駐車スペースに停めてあったのは、夫であるソ・イノ(キム・ビンチョル)の車。そのフロントガラスには、肝臓移植を受けたことでイノに取得を迫られた自分の障碍者用ステッカーが貼ってあった。このステッカーがあれば、出入り口に近い便利な場所に車を停められるのだ。
それを見て、涙まじりの甲高い笑い声を上げたジョンスク(オム・ジョンファ)。ついこの間、この車にイノが不倫相手のスンヒ(ミョン・セビン)を乗せて目の前を走り去るところを見たばかりだった。心底愛想が尽きる出来事に出くわしたとき、人は笑いがこみ上げてしまうものなのだろう。ジョンスクが、逡巡していたイノとの離婚をきっぱりと心に決めたシーンだ。
ドラマも折り返し点を過ぎた9~12話。ジョンスクがイノとスンヒの秘めた関係を知り、不倫問題の収拾を中心にストーリーが進む。重苦しい空気が漂う場面が続くが、イノ役のキム・ビンチョルが因果応報の目に逢ってダメージをくらう演技が軽妙で、安心してください、ときどきクスッと笑えますから。
初恋相手だったスンヒから、授かり婚でイノを奪うようなかたちになったジョンスク。だからこそ長い間、夫や姑、子どもたちに尽くすことに何の迷いもなく生きてきた。その信じてきたものが、夫の裏切りで一瞬にして崩れ去った喪失感、むなしさは計り知れない。家を出る決断をし、妻でも、母でも、嫁でもない、自分らしい生き方とは何かを模索し始める。
一方のスンヒは、イノとの不倫がバレたことで、絵に描いたような幸福な家庭を築いてきたジョンスクに嫉妬やライバル心をむき出しにする。イノとの間の一人娘にごく当たり前の家族の時間を経験させられなかったことに自責の念を募らせ、イノに離婚を迫る。叶わぬ初恋を引きずり、強気を装う姿はもはや痛々しく、同情さえしたくなる。
ところが、問題はイノだ。ジョンスクとスンヒ、ふたりから身の処し方を問い詰められる。すると、世間的にも波風の立たない“現状維持”で、安定着地できないものかと右往左往。不倫相手のスンヒには別れはするが、娘のことも大切にすると伝え、妻のジョンスクには心を入れ替えるからやり直そうと見当違いのプレゼント攻勢に出る。その煮え切らない態度は、みっともないことこの上ない“スレギ(クズ)”っぷりだ。
でも、このドラマを見続けたくなるのは、登場人物が発することばや行動が、あくまでもリアルだから。不倫されたことのある人(⁉)ならなおのこと、そんな経験のない人でも、「こんなこと、あるかもしれない」と想像できる範囲内だし、わが身に置き換えて「自分だったらどうする?」と考えることができる。身につまされるのだ。脚本の視点がおもしろい。