苦手な人をモンスター化させないコツは?小林弘幸先生が教えるコミュニケーション術
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雑誌「健康」編集部
ストレスの9割は、「人間関係」とそこで繰り広げられるコミュニケーションが要因と言われます。実は、コミュニケーションのカギになるのは「自律神経」。心と自律神経がととのって人生が幸せになる、そんなコミュニケーション術を知っているといいですね。困った!ときの話し方・伝え方を、4回にわたり、自律神経の名医 小林弘幸先生に教えていただきます。
目次
不愉快な言葉を言われたら、少し抑揚をつけて空気を変える
NG
×「申し訳ないです……」
NICE
◎「ほんとうに、申し訳、ありませんっ」
●不愉快な言葉にはいさぎよさをプラスして、ポジティブ方向に変換
●抑揚をつけて言うとより効果的
普通の会話では、抑揚をつける必要はありません。抑揚のある言い方を意識するのは、一瞬で空気を変えたい、自分が劣勢な場面です。ミスを指摘されたり、交渉が不利な状態なときこそ、話し方に抑揚をつけてみましょう。
相手がカッとなってどなってきたら、「ほんとうに、申し訳、ありませんっ」というように、少し大げさに感情を込めて言ってみます。
少し離れたところから、相手と自分の表情を客観視することがポイント。入り込み過ぎると自分を見失って、自律神経のバランスが乱れます。
また怒りや羞恥心といったネガティブな感情から解放される手段としては、トラブルなどを脳内で24時間以内に、やや小さめな出来事に話を作り替えてしまう方法があります。脳内で自分に都合のよいストーリーに変換すると、ネガティブな視点でとらえていたものが、全く違って見えてきます。
でき上がったストーリーが感情を支配し、怒りやネガティブな感情は薄れていき、副交感神経の働きを向上させ冷静さがとり戻せます。
人の話を聞かない自己中さんには、まず相手にすべて話させる
NG
×「へえ~、でも私の場合はこうですよ」
NICE
◎「わあ、そんなことがあったんですね」
●まずは相手にすべて話をさせて、満足感を与える
●相手の話の感想を伝えてから自分の話に
自分の話ばかりを意気揚々と話し続け、ほかの人の話には全く興味がない上に、いつの間にか話題を横取りしてしまう自己中心的な人がいます。聞いている側は疲労困憊してしまい、ストレスを感じることになります。
こういう人はメンバーの中で年長者であることが多く、悪気などみじんもありません。むしろ、「自分の体験を話して人を喜ばせている」と自己満足しているのです。
コミュニケーションは自分と相手がいて成り立つものです。一人が話すだけでは、退屈になり、信頼関係は得にくくなります。むしろ、その場の聞き役の自律神経のバランスをくずすだけです。
自己中心的な人には、まず話したいことをすべて話させてしまいましょう。このとき面白くない話ならば、頭の中でスルーしてもよいので、簡単な相づちを打ちながらとりあえず一度は受け止めます。
その後、「私の話もいいかな」と言いながら、自己中さんの話にかぶせるように見せながら、自分の話を展開するのが、ベターなコミュニケーション術といえるでしょう。