おいしい【みりん】と【酢】の選び方。グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス
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岩城紀子
安い調味料がおいしさを壊してしまうわけ
さて、調味料の「裏読み」の方法をわかっていただけたでしょうか。ひと言で言えば、調味料をはじめすべての食品の値段は、原材料と製造方法で決まっているということです。
昔ながらの製造方法は時間がかかり、人件費もかかる。原材料をいいものにすれば、さらに値段が跳ね上がる。だから安い調味料と比較すると、10倍以上価格が違ってしまうのです。
だから、安いほうを選びたい。その気持ちもわかります。でも、せっかくいいかつお節と昆布でおだしをとって、さあこれでめんつゆを作ろうと思ったとしても、脱脂加工大豆で造られたしょうゆと、みりん風調味料の添加物たっぷりの甘い液体を混ぜてしまったら、きっとそのめんつゆはおいしくならないと思うのです。
本樽で熟成したおしょうゆと、十分寝かせた本みりんを加えたら、それだけでまろやかなうまみのあるめんつゆになるはずです。
1本1000円のしょうゆは、確かに高いです。でも1000円のケーキセットを高いと思いますか。ケーキは1回で食べきってしまうけれど、1本のしょうゆは長く持ちます。その価値をどうとらえるか、ということです。
車は、使うオイルのランクによって、長持ちするかどうかが決まるそうです。だから、高価なクラシックカーには最高級のオイルしか入れません。それが車を長持ちさせる秘訣なのだそうです。
それって、体と食べ物の関係に似ているなぁと思います。私たちの体に何を入れて、どう使うか、毎日毎日のことだから考えたいのです。
※この記事は『裏を見て「おいしい」を買う習慣』岩城紀子著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
※2022年11月9日に配信した記事を再編集しています。
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