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おいしい【みりん】と【酢】の選び方。グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス

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岩城紀子

おいしい【みりん】と【酢】の選び方。グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス

調味料は、原材料と製造方法をチェックして。

食のセレクトショップ「グランドフードホール」を運営する岩城紀子さんに、おいしい調味料の見分け方を教わる第3回目。今回は「みりん」と「酢」です。裏側のラベルを見て、原材料と製造方法をチェックすると、その調味料が本物かどうかがわかります!

「本みりん」にも種類がある

みりんは現在3種類が流通しています。「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ発酵調味料」です。

よく見かけるのは「みりん風味調味料」ですよね。よくスーパーで安売りされています。でもこれは、みりんとはまったく別のものです。ブドウ糖などの液体に化学調味料やアミノ酸液などを混ぜて作られた、ちょっと不思議な調味料。安価で製造できるうえ、酒税もかからないので低価格で流通できるのです。

発酵調味料は「加塩みりん」とも呼ばれ、作り方は本みりんに近いものがあります。もち米のかわりにうるち米を使っていること。食塩が添加されていることが違い。塩が添加されているので、酒税対象にならず低価格です。

では「本みりん」とは何でしょう? 
もち米、米麹、焼酎もしくはアルコールを原料にして仕込んだものを、熟成させたあとにしぼって、半年から1年間貯蔵熟成させたものです。アルコール度数は14%前後。れっきとした酒類なので酒税もかかります。

本みりんのなかにも「古式製法」と「新式製法」という2つの作り方があります。表示されていないことが多いので、原材料で見分けましょう。

古式製法の原材料は、米、米麹、焼酎のみ。新式製法はこれに加えて醸造用アルコールを使い、熟成期間を短縮しています。熟成がたりないと甘味が不足するので、糖類も添加されています。

手間と時間をかけて作られるみりんは、作られ方で味がまったく違います。古式製法の本みりんは、おいしいリキュールのようです。

酢の原材料は「米」のみで十分

酢とは、酢酸を3~5%含む酸味のある調味料。「酒あるところに、必ず酢あり」と言われるように、どんなお酒でも発酵するとお酢になるのです。

お酢の原料はさまざまです。米、麦、コーンなどの穀物類、果実、野菜、サトウキビなどなど。世界各地にお酒があり、そのお酒を発酵させたお酢があります。イタリアだとワインビネガーが有名です。

日本は米酢です。米酢は米を酢酸発酵させて造った醸造酢です。でも値段はピンキリ。

裏を見てみましょう。JAS規格では、米酢には米以外のアルコール、糖類、アミノ酸液、そのほかさまざまな添加物を加えてもいいことになっています。

よくあるのが、アルコールを添加して酢酸発酵させているもの。原材料に「アルコール」と書かれているのは、昔ながらの製法で造られてはいません。原材料は、シンプルに「米」とだけ書かれている純米酢を私は選んでいます。

発酵時間が短いものも多く出回っていますが、長時間かけて発酵した「静置発酵法」のお酢は、まろやかで深みのある味わい。健康にもいいはずです。

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