いい卵、いい牛乳はどう選ぶ?グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス
公開日
更新日
岩城紀子
牛乳はできるだけ加工されていないものを
本来「牛乳」と呼ばれるものは、100%の生乳を加熱殺菌しただけのもの。何も足さず何も引かない、成分無調整なのが牛乳です。
生乳100%と表示されていても、いろいろ足したり引いたりしているものもあります。「成分無調整牛乳」は、遠心分離で乳脂肪分を除去した乳脂肪分の低い牛乳や、水分の一部を除去した濃厚タイプなどがあります。「低脂肪牛乳」はさらに脂肪分を取り去り、0.5%以上1.5%未満にしたもの。脂肪分が同じく0.5%未満のものは「無脂肪牛乳」と表示されています。
そのほかにも、生乳に脱脂乳や脱脂粉乳、クリームなどを加えて「加工乳」や、カルシウムやコーヒーなどを加えた「乳飲料」があります。
私が選んでいるのは、何も足さない何も引かない、ただの牛乳です。でもそれだけで選んでいるわけではありません。裏を見てください。
注目してほしいのは「殺菌」という項目です。
牛乳は出荷する前に殺菌することが法令で義務づけられています。その方法はおもに3種類あって、低温殺菌(例:65℃Cで30分)、高温殺菌(例:75℃で15分)、超高温殺菌(例:130℃で2秒)。
一般的な牛乳は超高温殺菌ですが、熱によってたんぱく質が変性してしまうので、低温殺菌したもののほうが牛乳本来の風味が味わえます。ただ、作るのに時間がかかるうえに賞味期限も短いため、価格が高くなります。
もうひとつ、私が選ぶ観点はノンホモジナイズド(ノンホモ)牛乳かどうかです。本来の生乳は、しばらく置いておくと上のほうに乳脂肪分のクリームの層ができます。品質を安定させるために機械で高圧をかけ脂肪球を均質に小さくしたのが「ホモジナイズ(均質化)」牛乳で、脂肪球は中に溶け込みます。
ノンホモジナイズ(ノンホモ)牛乳は高圧をかけずに作られているのでより本来の生乳に近いまろやかな味わいです。牛乳嫌いの子が「これおいしい!」とグビグビ飲む姿を見ると、心からうれしくなるのです。
※この記事は『裏を見て「おいしい」を買う習慣』岩城紀子著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
※2022年11月11日に配信した記事を再編集しています。
★あわせて読みたい★