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いい卵、いい牛乳はどう選ぶ?グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス

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岩城紀子

いい卵、いい牛乳はどう選ぶ?グランドフードホールの岩城紀子さんがアドバイス

おいしい卵の見極め方は、白身です。

食のセレクトショップ「グランドフードホール」を運営する岩城紀子さんは、安全で健康にいい食品を選ぶことを大前提に、おいしさという基準で食品を選んでいます。ここでは、「いい卵」と「いい牛乳」の選び方を教わりましょう。いい卵だと、卵だけでおいしいので、卵かけごはんがごちそうに! 牛乳はできるだけ加工されていないものがおすすめです。

子どもには、いい卵といい牛乳を

「うちの食費、月5万円なんです。その中で何にお金をかけたらいいですか?」と先日、若い主婦の方に聞かれました。小さなお子さんが2人いるそうです。

限られた予算の中ですから、優先順位をつけないといけません。調味料はぜひいいものを使ってほしいのですが、食材に関しては悩むところです。でもやっぱり子どもに食べてほしいのは「いい卵と、いい牛乳」この2つです。

卵にはビタミンC以外の栄養素がすべて含まれています。たんぱく質も豊富だし、脳の成長を助けるといわれるレシチンなどもとれます。何よりもおいしくて手軽に食べられます。

牛乳には、体の成長を促進するたんぱく質とカルシウムがたっぷり。子どもがいる家庭の必需品だと思います。

でも、アレルギーで卵が食べられない、牛乳が飲めないという子も増えています。その話を聞くたびに、なんだかつらくなってしまいます。あんな完全栄養食が食べられないのか、と。でももしかしたら、すべての卵が悪いわけではないのかもしれない。すべての牛乳がダメではないのかもしれない。健全な飼料で、健全に育った鶏や牛から生まれたものであれば、アレルギーが起こりにくいという可能性はあるかもしれません。

では、どんな卵・牛乳が「いい」のでしょうか?

卵の価値は「飼い方」と「餌」で決まる

卵を扱う業者はとても多く、価格もさまざまです。1個200円もする卵もあれば、1個10円くらいの卵もあります。価格の違いは、育て方と餌です。

鶏の飼い方には、おもに「平飼い」と「ケージ飼い」があります。ケージ飼いは金網でできた鶏かごを積み重ね、そこに1羽ずつ入れて育てる方法です。狭い空間で効率よく鶏を飼うことができ、卵の収穫もラクなので価格を安く設定できます。

平飼いは、鶏を地面の上で育てる飼育法です。自由に動き回れるのでストレスもなく、病気になる確率も低いというメリットがあります。ただ、ケージ飼いに比べて広い敷地が必要ですし、管理には人手もかかってしまうので、どうしても価格が高くなります。

餌の問題も重要です。狭いケージの中で生き物を飼うことは、病気やストレスの問題と隣り合わせ。餌の中に抗生物質などを混ぜ込むのが一般的です。価格の安い卵の多くは、さまざまな栄養素が混ぜ込まれた工場配合飼料を与えられている鶏から生まれていると思っていいでしょう。

卵のパッケージには、どんな飼い方をしているのか、餌には何を与えているのか書かれていないものがほとんどです。

少し価格が高いものは「ビタミンE配合」「DHA配合」「葉酸配合」など、添加されている栄養素の名前が大きく書かれていることがあります。その多くは、ケージ飼いと工場配合飼料で育てられている卵にプラスαの栄養素を与えて、値段をお高めに設定しているだけのことです。

グラホで扱っている卵は、1個80円ほど。安くはありませんが、高すぎもしないと思います。昔ながらの餌を与えられていますし、ヒヨコのうちは平飼いでのびのび育てられています。卵を産み始めたらケージに移されますが、ケージも広々しているので、グラホの基準を満たしています。

私はこの卵の卵かけごはんが大好きです。卵そのものがおいしいので、こんな簡単な料理がごちそうになるのです。忙しい子育て中のママであればなおのこと、毎日の食事がホンマにラクになるのではないかと思うのです。パカッと割るだけで、きっと子どもが飛びついてきますよ。

問題は、そんな卵をどこで買うかです。私は通販をおすすめします。卵は日持ちするものなので、遠方でも信頼できる養鶏場から購入するのが一番です。そういった養鶏場では前述のキーワード、平飼いや餌などについて明確なメッセージを出されています。それを調べて理解した上で通販で買うことをぜひ試してみてください。

おいしい卵の見極め方は、白身です。割ったときに白身がぷっくり膨らんでいるのは鮮度がいい証拠。「黄身が鮮やかなオレンジ色がいい」と思っている人もいますが、あの色はパプリカ色素の入っている餌で人工的に作ることができます。

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