【らんまん】出禁にした万太郎に、なおも拘泥し続ける田邊(要潤)の孤独の行方が気になる
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田幸和歌子
朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!
長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第19週「ヤッコソウ」が放送された。
今週は、東大に出禁になり、行き場を失った万太郎(神木)が、植物を通じて人とつながることができること、一人じゃないことに気づくという本筋が描かれる一方、長女・園子を失い、悲しみに暮れる寿恵子(浜辺美波)の再生と成長が際立つ物語になっていた。
園子が亡くなったことで、「私が悪い。園ちゃんを月足らずで産んだせい」「わしが植物採集に行っていたせい」と、それぞれ自身を責める寿恵子(浜辺美波)と万太郎(神木)のもとに、寿恵子の母・まつ(牧瀬里穂)がやって来る。
万太郎やまつ、長屋の人々に支えられ、寿恵子は笑顔を取り戻し、第二子を出産。万太郎は赤ちゃんの長寿を願い、「千歳」と名付ける。しかし、その矢先、ロシアからマキシモヴィッチ博士が亡くなったという知らせが届き、万太郎はロシア行きを断念せざるを得ない状況となる。
万太郎は田邊に寄贈を命じられた標本500点と目録の準備を進めるが、そこに綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)がやって来て、峰屋を廃業にしてしまったことを詫びる。「1人でもこの道を行く」と万太郎は言うが、お金を頼れる峰屋はもうなく、万太郎には家族がいると反対する竹雄。
しかし、寿恵子は万太郎を植物採集の旅へ送り出す。しかも、一歩家を出たら家族のことは忘れ、植物と自分だけを見るように言う寿恵子。「私は私で」好きなことをすると言い、「八犬伝とか、八犬伝とか、八犬伝とか……」と冗談を交えて言う寿恵子には、「自分の機嫌は自分でとる」と教えた母・まつイズムがしっかり流れているようだ。