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フランス流 節約術。「プレゼントのお菓子を入れる手作り箱」を吉村葉子さんに聞いた

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吉村葉子

中でもとくにびっくりされたのが、四角い箱を半円形に作りかえたときでした。フランス人の友人からお茶に誘われ、「タルトを半分、持ってきて」と言われたことがありました。プラスチックの容器に入れて持っていけば、それですむのですが、それではなんだかつまらない。タルトが焼き上がるまでの間、ボウルや綿棒を洗い、シンクを片づけながら、もっと面白いものがあるような気がしたわけです。

そんな矢先に、半円形の箱を作ろう!と思いつきました。玄関近くのクロークに、捨てずにしまっておいた可愛い紙箱があるはずでした。思った通りクローク上段にあった箱をキッチンに持ってきたときには、すでに半円形の箱のイメージができ上がっていましたから、気持ちはウキウキ。箱の底に鉛筆でタルトと同じサイズの半円を描いて、箱の側面はそのまま残して切り抜きました。

説明すると難しそうですが、意外とすんなり作れます。箱の側面を残すのがコツです。半円の弧に沿って側面をセロハンテープで貼れば、世にも稀なる半円形の箱の完成。ハーフサイズの手作りタルトがすっぽりおさまったのをたしかめて、改めて満足感に浸りました。

から焼きしたタルト生地にかためのカスタードクリームを流して、さくらんぼのシロップ煮をぎっしり並べたチェリータルト。

「タルトを半分」と言われて考案した、半円形の箱。ふたも作りました。

紙箱にぴったりおさまった半円形のタルトを見た友人たちは、口々にこう言ってくれました。「ブラボー・ヨーコ!」「ヨーコ、芸術家ネ!」と。もちろん呆れられもしましたが、それでも面白がられるのって気持ちがいいものだと、実感したひとコマでした。

余談ですが、フランスには、食べ物をいただいたときの容器を洗って、気持ち程度でも何かしら入れて返すというお返しの習慣はありません。

※この記事は『徹底してお金を使わないフランス人から学んだ本当の贅沢』吉村葉子著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

フランス流「家を心地よく、手間をかけずに片づける秘訣」を吉村葉子さんがアドバイス フランス人から学んだ、お金を使わない心贅沢な暮らし。「ワインが美味しくなるひと手間」を吉村葉子さんに聞く フランス人から学んだ、お金を使わない心贅沢な暮らし。吉村葉子さんの「自宅でお茶会」

徹底してお金を使わないフランス人から学んだ本当の贅沢

吉村葉子著
主婦の友社刊

フランス人はケチだ。徹底してお金を使わない。それでも、なぜか優雅に見えてしまう。フランス人はそれほど几帳面ではない。にもかかわらず、美しく暮らしているように見える。なぜか?
パリに20年暮らした著者が解き明かすフランス流「お金をかけない上質な暮らし 手間をかけない丁寧な暮らし」の極意。

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