88歳 現役医師 帯津良一さんが実感する「持たない暮らしは案外と気楽」
90歳を超えたらおまけの人生
70代、80代と年を重ねるごとに気力、体力、色気などの衰えを感じることもあるでしょう。昨日できていたことが今日はできない、ということも出てきます。「年老いてしまった」「生きていてもしょうがない」「生きるのがめんどうだ」などと無力感におそわれることがあるかもしれません。
この根底には、老いに伴う自分自身の体の変化、社会から取り残される孤独感や焦り、死への不安などが関わり合っているのだと思います。また、高齢者のこうした加齢に伴う心理状態が世間的に誇張されているようにも感じます。
例えば、高齢者はがんこで怒りっぽく、猜疑心が強いなどと言われがちですが年をとったら誰もがそうなるということでもありません。ネガティブな心理状態のひとかけらもない人だっています。
私の敬愛する太極拳の師、楊名時(ようめいじ)先生はその達人でした。いつもニコニコとして、「生きるも死ぬもあるがまま」と思い出したようにおっしゃり、見事な往生を遂げられました。楊名時先生と過ごした時間は、私にとって掌中の珠であり、最大のよろこびです。
ここまで達観するのは難しいかもしれません。90歳を超えたらおまけの人生、思う存分に老いを満喫しよう、そんな余裕を持ってみてはいかがでしょう。
※この記事は『にこにこマンガ 88歳現役医師のときめいて生きる力』帯津良一著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
にこにこマンガ 88歳現役医師のときめいて生きる力
帯津良一著
ミューズワーク(ねこまき)マンガ
主婦の友社刊
マンガとイラストと文章で「生・老・病・死・食・体」の考え方と、元気に過ごす秘訣が満載です。
1章 「生」の源はときめき力
2章 「老」を楽しみ、軽やかに生きる
3章 一病息災「病」と生きる
4章 「死」は終わりでなく旅立ち
5章 人生を豊かにする「食」のよろこび
6章 元気に動く「体」の整え方
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