パリ【女ひとり旅】サンジェルマン・デ・プレの街歩き&カフェでお茶を 中道あんさん流
この店の並びには、同じように老舗のカフェ「カフェ・ド・フロール(Cafe de Flore )」がある。おいしいコーヒーを飲みたくて最終日はまた「レ・ドゥ・マゴ」に行くつもりだったけれど、たまたま「カフェ・ド・フロール」の前を通りかかったときに一つだけテラス席があいているのを見つけた。愛想のよさそうなギャルソンに 「ここに座ってもいい?」と聞くと、笑顔で「どうぞ」と言ってくれ、親切な態度でホッとした。
ここもサルトルやボーヴォワールが通ったという、超有名店。今度は、テーブルに着くなりペーパーシートを敷いてくれた。コーヒーとクロワッサンとタルトタタンを注文。「クロワッサン」と言うと「クロワッスン?」と聞き返され、発音を覚えられた。
それにしても、めちゃくちゃ繁盛しているカフェだった。でも理由がわかるもん。ひとりぼっちのアジアン(私のこと)であろうが隣の席に座ったモデル風の美女であろうが、同じように接するギャルソン。店内の席からテラス席にかえたいというお客さまにも、嫌な顔ひとつせずテーブルをつくっていた(忙しいのに)。 自分の持ち場をきびきびと動き回るギャルソンの振る舞いも文化の一つだ。それをじっくり眺めながらひとりコーヒーを飲んでいた。いつまでも記憶に残るカフェだった。
日曜日のパリはお店が休み!カルチエ・ラタンの街歩き
「レ・ドゥ・マゴ」でお茶をしたあとは、カルチエ・ラタンまで気の向くままにお散歩だ。途中でリュクサンブール公園の近くにある雑貨店「マラン・モンタギュ(Marin Montagut )」に寄って、パリでの一期一会を楽しみたいと思っていた。
パリ6区サンジェルマン・デ・プレ界隈は落ち着いていて、人通りも少ない。観光客というより地元の人が通りを歩いている感じがして、パリという街の素顔を垣間見れる。「それにしても、歩いている人が少ないなぁ。みんな出かけないのかしら?」なんて思いながら、お店にたどり着くまで辺りをキョロキョロしながら歩き進めた。すると狭い通りに何やらすてきな本屋さんを見つけた。
窓辺に飾られたディスプレイがオシャレで絵になっている。フランスの本の表紙はいちいちオシャレだと思う。読めないけれど飾ったら絵になるものが多い。お土産にそんな一冊が見つかればいいなぁ、なんて思い、中に入ろうとしたら休みだった。「なんだぁ。残念だなぁ」と、また、再び目的地まで歩きだす。
10分ほど歩いただろうか。表にまで香ばしいパンのにおいが漂ってきて、吸い込まれるようにして店の中に入ってしまった。買わずに出るのは申し訳ないのだけれど、「このあとランチなの。ごめんなさい」して、出ちゃった。あとから調べてみたらバゲットが有名な「ラ・パリジェンヌ」というパン屋さんだった。そのお隣がお目当ての「マラン・モンタギュ」だ。