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【ガーデニング】初めてのバラ育てQ&A—よい植え場所と土作りとは?

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更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】初めてのバラ育てQ&A—よい植え場所と土作りとは?

軽井沢レイクガーデンに咲くイングリッシュローズの‘アラン ティッチマーシュ’。枝が自由に伸びるのでフェンスの前に植えるのがよいでしょう。(筆者撮影)

どんなに元気な苗を買っても、すぐれた配合の肥料を与えても、育つ環境が生育に適していなかったらバラは上手く育ちません。植え場所や土壌を見直し、バラにとって心地よい居場所を作ってやりましょう。

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【ガーデニング】初めてのバラ育てQ&A—よい植え場所と土作りとは?(画像2)

バラにほかの草花を合わせる場合は、株元が蒸れないよう、特に日当たりと通風のよい植え場所を用意してやりたいものです。

Q バラは庭のどこに植えればいいのですか?

A バラは午前~昼の日照が5時間ある場所が最適だと言われてきました。

しかし、現代の住まいではそうした環境を見つけるのはかなり難しく、午前中の日照が3~4時間ある場所ならまず大丈夫と考えてもよいでしょう。

庭の向きは東南が一番適しており、東や南、南西でも大丈夫です。真西の場合は、日照時間が3時間以上あるか確認し、さらに真夏の高温と乾燥に耐えられるよう、耐暑性のある品種を選ぶようにします。
温暖化の影響を受け、最近は耐暑性の高い品種が多数、生産されています。

北側は生育に適さないとされますが、東北東で朝の光が多く当たる場所は思った以上にバラが育ちます。
枝は若干ひょろひょろと伸びますが、今流行のシュラブ系のバラは樹形が半つる性なのであまり気になりません。

その場合、カタログや検索サイトで半日陰に強いバラを探すと、多くの品種がヒットするはずです。
また、日照不足では花付きも少なめなので、花付きがとてもよいと書いてあるものを選ぶと庭が寂しくなりません。

【ガーデニング】初めてのバラ育てQ&A—よい植え場所と土作りとは?(画像3)

廃盤になってしまったのが残念な‘ラジオ タイムス’。濃いピンクのつぼみもロゼットの花形も愛らしく、ダマスクの強い香りがします。(筆者撮影)

Q 植え穴はどの位置に用意すればいいの?

A 日照が確保されることが確認できたら、植え穴を掘る場所を決めます。
たとえ東南向きでも、周囲に樹木などが茂っていたのでは小さなバラ苗に日は当たりません。なるべく周囲に塀や木がない場所を選びましょう。

スペースは広いほうが安心ですが、直径30~40㎝ほどのわずかなスペースであっても、環境が合えばバラは育ちます。
その場合はコンパクトな品種や直立性の樹形、また壁やフェンスに這わせるつるバラを選ぶのもよいでしょう。

また、バラ苗は以前に別の植物や別のバラを植えていた場所では上手く生育できません。これを嫌地(いやち)と呼びます。

もし、そうした場所であれば、直径、深さとも50㎝ほど掘り上げて古い土を捨て、市販の赤玉土の中粒と小粒をブレンドしたものを埋め戻しておきます。

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イングリッシュローズの‘クリストファー マーロウ’。オレンジやサーモンピンクなどがのる不思議な花色が魅力的。ティーベースのさわやかな香り。(筆者撮影)

シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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