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【ガーデニング】育てて楽しい多年草ハーブ【ルバーブ】の栽培方法と活用アイデア2選

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ゆうゆう編集部

「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【ルバーブ】です。

▼本連載の他、桐原春子さんの記事はこちら▼桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活

ジャムが人気の【ルバーブ】

赤く色づいた葉柄(ようへい)から作る、ほどよい甘味と酸味のジャムが人気のルバーブ。日本でも認知度が高まりつつあるハーブです。

別名/ショクヨウダイオウ(和名) 
科名/タデ科
性質/多年草 
草丈/80~200㎝

ほどよい酸味を生かし、ジャムやパイに

草丈が2m近くになり、大きな掌状の葉を広げるルバーブ。原産はシベリア南部で日本には明治初期にもち込まれましたが、あまり利用されませんでした。

桐原春子さんによるとヨーロッパではなじみ深い植物だそうで、「一般家庭の庭や畑で育てる人も多く、イギリスの片田舎を旅していると、青果店の店先にルバーブがきれいに束ねられて並んでいるのを見かけることもあります」。

ルバーブにはほどよい酸味があり、葉柄(茎)を砂糖で煮てジャムにするのが一般的ですが、生の葉柄をパイの具に使うこともよくあり、「パイ・プラント」の呼び名もあります。カレーや煮物に入れたり、生の葉柄を薄くスライスして砂糖をまぶし、フルーツサラダに加えたりしても◎。
 
イギリスのビクトリア朝時代には特に好まれたといわれ、「やわらかいルバーブを育てるために専用の鉢をかぶせ、日が当たらないように軟白栽培をしました。この鉢は『ルバーブフォーサー』と呼ばれ、今も一般家庭の庭でよく見られます」。

寒冷地では葉柄の赤色が鮮やか

ルバーブには整腸作用、抗酸化作用があり、便秘を解消して動脈硬化を予防する効果があるとされます。

「ただし、一度にたくさん食べるとおなかがゆるくなることもあります。また葉にはシュウ酸が含まれているので食用にはせず、染色などに使います」

ルバーブは寒さに強く、寒冷地のほうが葉柄の赤色が強く出ます。また、葉柄がより鮮やかな赤色になる品種もあり、そういったもののほうが人気が高いそう。

「苗は堆肥肥料をたっぷりとすき込んだ土に植え、水はけと日当たりのよい場所で育てます。大きめの鉢でもOK。日本ではまだ目新しいハーブなので、育てて大いに利用してください」

植えつけ2年目以降に収穫を

青と白にペイントした鉢に、ルバーブの苗を植えました。大きな葉と薄く赤に染まった葉柄に、ルバーブらしい存在感があります。生長に応じて、大きな鉢に植えかえましょう。

収穫は葉柄が十分に太く育つ2年目以降まで控えます。株元を覆っているレモングラスの茎(ドライ)は、肥料にもなるのでそのままで大丈夫。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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葉柄は、植物の葉身と茎をつなぐ大切な部分です。葉が効率よく光合成を行えるように葉身の角度や位置を調整する役割を担います。一部の植物では葉柄が太くて頑丈で、葉を支えるだけでなく、光や水分をためる特性を持つものも。ガーデニングでは葉柄の観察を通じて、植物の健康状態や育成環境の適否を判断する手がかりにもなります。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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堆肥とは、落ち葉や草、野菜くずなどの植物性廃棄物や動物のふん尿などを発酵・分解させて作られる有機質肥料の一種です。土壌の改良や植物の育成を助ける役割があり、ガーデニングでは土の栄養補給やふかふかな土壌づくりに欠かせません。自家製の堆肥を作ることで廃棄物の再利用が可能になり、環境にも優しい方法として注目されています。発酵の過程で微生物が活躍するため、適度な湿度と空気の供給を保つことが重要です。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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