認知症になりにくい人がよく食べるOK食材、なるべく避けるNG食材とは?
認知症予防の観点から、おすすめの食材と控えるべき食材を、認知症協会代表理事・山根一彦さんに教えていただきました。「OK食材だけをたくさん食べればいい」という単純なものではありませんが、毎日の食事の参考にしましょう。
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山根一彦さん 認知症協会代表理事
やまね・かずひこ●医学博士。一般社団法人認知症協会代表理事。
認知症カウンセラーとして認知症予防出張講演や介護施設での食事指導、認知症専門人材の育成、教材開発を行う他、YouTube配信も。
『マンガでわかる 医学博士がすすめる 認知症にならない最高の習慣』(新潮社)など監修書、著書多数。
【炭水化物】ご飯は1日300g程度はOK! 小麦製品は控えましょう
中毒性が高い小麦製品は少しずつ減らしましょう
「糖質制限も大事ですが、炭水化物は必要。ご飯は1日300g程度、できれば五分づき玄米などを混ぜて食べましょう。認知症の大敵として最も避けたい食材が『小麦製品』。理由は血糖値の上昇、農薬や添加物の危険性、中毒性に加え、腸に小さな穴があいて腸にある物質が体内に入って炎症を起こす『腸もれ状態』を起こしやすいため。小麦製品を一度に断つとそれがストレスとなり脳によくないので、少しずつ減らしましょう」
【油】オリーブオイル(エキストラバージン)がおすすめ
よい油は脳に必要。悪い油は脳への悪影響も
「脳は水分を除くと6割が脂質ですから、脳のために脂質はとりましょう。油には脳によいものと悪いものがあります。加熱調理には、コレステロール値の低下、高血圧・動脈硬化・便秘などの予防が期待できる、オメガ9系の油を。オリーブの実を搾っただけのオリーブオイルで、イタリアやスペインの認証マークつきがベスト。逆に、認知症発症につながる悪玉コレステロールを増やすなど、脳に悪影響が大きいトランス脂肪酸を含むものは避けましょう」
トランス脂肪酸を多く含むNG食材
・マーガリン ・サラダ油 ・ショートニング
・ホイップクリーム ・コーヒーフレッシュ
・ケーキミックス ・インスタント食品
・冷凍食品 ・ポテトチップス、コロッケ
など
【飲料】水はたっぷり。1日1.5ℓが目標。牛乳は控えましょう
認知機能を維持するには十分な水の摂取が有効
「一度に飲むと多くが尿で排出されるので、湯のみに軽く2杯を1日8回程度に分けて飲みましょう。緑茶(番茶)もよいですが、カフェインの利尿作用には要注意。控えたいのは牛乳。飽和脂肪酸の影響や乳糖不耐症の問題で炎症につながることがあります」
【果物】柑橘類・ベリー類 はOK! 甘すぎる果物は控えましょう
ブルーベリーやラズベリー、シークヮーサーがおすすめ
「活性酸素が増えると脳の神経細胞が傷つくことがあります。果物に含まれるビタミンやポリフェノールには抗酸化作用があり、脳の酸化を防いでくれます。ただし、果糖を多くとると肝臓に負担がかかって血糖値の上昇につながります。酸味が強く甘味が少ない果物を選びましょう」