記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】初めてでも育てられる「洋ラン」の世界【5選】

公開日

更新日

光武俊子

洋ランは栽培が難しくて上級者向きと思っていませんか? じつは温室がなくても、冬の室内ならとても気軽に栽培できます。冬も華やかに咲き甘い香りを漂わせる、丈夫で育てやすい冬咲きの洋ランを楽しんでみましょう。

▼こちらもどうぞ▼

【ガーデニング】バラの基本。実は丈夫で、初心者でも育てやすい!

暖房のない縁側で育てられる洋ランも

洋ランは温室で栽培するものだと思われがちですが、最低気温が0℃以上あれば戸外で育つものもあります。実際に、1月末に訪れた東京の花市場では正門脇にシンビジウムがコンテナで咲いていました。シンビジウムは3℃以上、デンドロビウムは0℃以上あれば冬越しできるそうです。

なので、夜間は暖房を切るリビングや日中も暖房を入れない廊下や縁側でも、洋ランは咲かせられます。ちなみに洋ランというのは欧米で品種改良されたランで、日本や中国原産のランは東洋ランといいます。東洋ランはもちろん戸外で越冬して、より育てやすいものです。

今回ご紹介する5種類の洋ランのなかで、もっとも高温を必要とするのはファレノプシス(コチョウラン)で最低温度が15℃以上、生育適温が25℃です。が、
カトレア:12℃以上(適温25℃)、
パフィオペディルム:7℃以上(適温25℃)、
シンビジウム:3℃以上(適温15~20℃)、
デンドロビウム:0℃以上(15~20℃)
となれば、「わが家でも育てられそう!」と思うでしょう。
ただし、暖房で暖かすぎるのは要注意です。

【ガーデニング】初めてでも育てられる「洋ラン」の世界【5選】(画像2)

球根植物と同じ温度でも育つファレノプシス

洋ランは意外に暗さに強く、過湿が苦手

洋ランの原種は熱帯や亜熱帯の森林で、地面ではなく樹木に着生しているものが主流です。木漏れ日程度の明るさで、雨はよく降ってもすぐに乾くような場所。こうした環境を好むと覚えておきましょう。

【ガーデニング】初めてでも育てられる「洋ラン」の世界【5選】(画像3)

木に着生しているパフィオペディルム

なかでも、明るい環境を好むのがデンドロビウムやカトレアやファレノプシス。これらは窓辺の明るい場所で育てます。シンビジウムやパフィオペディルムは少し窓から離れたテーブル上などでもOK。花後、夏に戸外へ出すときは、50%ほどの遮光が必要です。

熱帯雨林でも樹上で育つランは、じめじめした過湿は苦手です。たっぷり水やりしたら鉢内が乾くまで水やりしません。鉢ごと持ち上げて軽くなったことを確認したり、鉢の表面が乾いてからさらに1日経って与えることで、根腐れを防ぎましょう。とくに冬は水の量も控えめにします。

【ガーデニング】初めてでも育てられる「洋ラン」の世界【5選】(画像4)

洋ランの鉢植えに使われる水ごけが中まで乾いてから水やりを

シンビジウム、パフィオペディルム、デンドロビウムは冬に肥料を与えません。あまり手間をかけなくても、適度な温度と明るさ、過湿に気をつければ、洋ランはご機嫌に咲いてくれます。価格は少しお高めですが、長いものは2~3カ月ほども咲き続け、翌年以降も咲かせるようにトライしてみませんか。

【ガーデニング】初めてでも育てられる「洋ラン」の世界【5選】(画像5)

窓辺で次々に開花するファレノプシス

根腐れとは、土の水はけが悪いことによって、植物の根が腐ってしまう状態をいいます。肥料の与えすぎでも根腐れが起こることがあります。根腐れをほうっておくと、葉がしおれたり枯れたりします。

詳細を見る

冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

詳細を見る

亜熱帯とは、熱帯と温帯の中間に位置する気候帯で、日本では沖縄や奄美大島、小笠原諸島などが該当します。冬でも気温が高く、霜が降りにくいため、熱帯植物や寒さに弱い草花の栽培に向いています。ブーゲンビリアやハイビスカス、マンゴーなどがよく育ちますが、開花に冬の寒さが必要なチューリップなどは咲きにくいとされます。高温多湿による病害虫の発生には注意が必要です。

詳細を見る

植物における「バルブ」とは、地中や地表にあって球根のように膨らんだ茎や葉の根元の部分を指します。チューリップやヒヤシンスのように、バルブは栄養を蓄える役割を持ち、次の生育期に備える植物の大切な構造です。ガーデニングでは、バルブを用いた花の植えつけが人気で、適切な保管や植えつけ時期が豊かな花を咲かせる鍵となります。

詳細を見る

花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

詳細を見る

肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

詳細を見る

学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

詳細を見る

唇弁とは、ラン科植物の花に見られる唇のような形をした独特な部分で、花弁の一部が変形して大きく目立つ形になったものを指します。この特徴的な形は昆虫を誘引し受粉を助ける役割を果たします。ガーデニングでも人気のランの魅力は、この唇弁の美しさや個性によるところが大きいといえるでしょう。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

詳細を見る

萼とは、花の一番外側にある葉のような構造で、つぼみを保護する役割を果たします。多くの植物では緑色で硬く、花が咲いた後も果実の下に残ることが多く、花の構造や分類を理解するうえで重要な要素です。例えば、ナスの実の下部についている星形の部分が萼であり、種によっては目立たず早期に脱落するものもあります。また、ガクアジサイのように、萼が大きく発達して花のように見える装飾花となる場合も多くあります。

詳細を見る
画面トップへ移動