犬と猫、記憶力がいいのはどっち?残るのは楽しい思い出?それともイヤな記憶?
永遠のライバル犬と猫。はたしてどっちの能力が高いのでしょうか? 知力、感情、身体能力、五感、生活などについて、動物学者の今泉忠明さんが詳しく解説した本『犬と猫どっちが最強か決めようじゃないか』が話題です。今回は本の中から「犬と猫、記憶力がいいのはどっち?」をご紹介します。
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イヤなこと=危険なことの場合もあるので忘れない
犬も猫も、いちばん覚えるのは「イヤだったこと」と「うれしかったこと」です。たとえば、野生の犬・猫でいえば、この場所は敵に遭遇した、この場所はいい獲物がとれたなど。これは家庭犬や家庭猫にもあてはまります。一度おやつを見つけた場所をずーっと覚えている犬、いますよね?
しかし、特に記憶に焼きつくのは「イヤなこと」のほうです。犬や猫にとって「イヤなこと」は、命の危険に直結するからです。どんなに学習などで記憶を上書きしようとしても、根本に染みついた恐怖は、なかなか消えません。
犬がよさそうだけれど記憶力はほぼ同等!
では犬と猫のどちらが記憶力がいいのか?
一見、犬のほうがいろいろなことを覚えているように思われがち。でも、先述した「イヤだったこと」「うれしかったこと」に対する記憶は、猫も相当なもの。爪切りで痛い思いをさせたら二度と爪切りさせてくれなくなった、なんて話も。
「猫は3年の恩を3日で忘れる」などともいわれますが、これは猫は単独行動が基本なので、犬ほど飼い主(群れのリーダー)に対して執着を表さないだけで、忘れたわけではありません。犬と猫には、ほぼ同等の記憶力があると考えられます。
犬の脳のつくり
記憶を司る器官は、大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)にある海馬です。海馬で記憶をつくり、脳のいろいろな場所に分散させて記憶させています。このつくりは人、犬・猫、鳥も変わりません。
また海馬につながっている尾状核は、学習と記憶システムの重要な部分を担っています。
犬と猫、記憶力がいいのはどっち?
【判定】引き分け!
イヤなことは強烈に覚え、なかなか記憶から消えない
※この記事は『犬と猫 どっちが最強か決めようじゃないか』今泉忠明監修、ひぐちにちほマンガ、山田優子イラスト(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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動物学者
今泉忠明
いまいずみ・ただあき●動物学者。東京動物園協会評議員、日本動物科学研究所所長、日本ネコ科動物研究所所長、「ねこの博物館」館長などを務め、犬・猫はもちろん、動物全般についての知識の深さには定評がある。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)や環境庁(現・環境省)の生物調査などに従事後、上野動物園の動物解説員を務める。現在も富士山の動物の生態調査など、活発にフィールドワークを行う。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる猫のきもち』(大泉書店)など、生物に関する著書・監修書多数。
いまいずみ・ただあき●動物学者。東京動物園協会評議員、日本動物科学研究所所長、日本ネコ科動物研究所所長、「ねこの博物館」館長などを務め、犬・猫はもちろん、動物全般についての知識の深さには定評がある。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)や環境庁(現・環境省)の生物調査などに従事後、上野動物園の動物解説員を務める。現在も富士山の動物の生態調査など、活発にフィールドワークを行う。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる猫のきもち』(大泉書店)など、生物に関する著書・監修書多数。

犬と猫どっちが最強か決めようじゃないか
今泉忠明 監修
ひぐちにちほ マンガ
山田優子 イラスト
主婦の友社刊
永遠のライバル犬と猫。はたしてどっちの能力が高いのか? 知力、感情、身体能力、五感、生活などについて、動物学に基づいてジャッジ!犬猫について知りたい55項目を比較しました。
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