パリの名物といえば道に落ちた犬の…そんなかつての不名誉なイメージを挽回⁉︎ フランスのペットお迎え事情
フランスで、犬、猫の店頭販売が規制されてもうすぐ1年。飼い主のモラル向上やペットの迎え方にも変化があるようです。フランスに住んで約20年になる著者がお届けします。
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フランスでは6割の家庭がペット有り
日本でもペットのいる家庭が増えている印象ですが、犬または猫のいる家庭は全家庭の約21%(2024年/Cross Marketing)。
フランスはというと、熱帯魚や小型動物まで含めると、約61%(2024年/FACCO.fr)の世帯がペットを飼っているのだそうです。
そんなわけで、ペット大国でもあるフランス。
猫はあまり出歩かないようですが、パリ市内の大きめの公園には犬も入れるスペースがあり、さまざまな犬種を見かけます。
どのコも楽しそうにお散歩しているように見えますが、衝動買いしたペットを捨ててしまう人も増えていて、保護施設に引き取られる犬猫の数は年間75~100万匹にもなるそう。
殺処分の数も多く、そんな状況を改善しようと、何年も前からペット購入のハードルを上げる動きがありました。
ペットショップでの犬、猫の販売が禁止に
フランスでは2024年から、動物愛護に関する新しい法律の一環として、ペットショップでの犬、猫の販売が禁止され、保護施設から放棄された動物の保護先を探すための展示だけが許可されることになりました。(魚や小動物などは除外)
これはペットショップでの衝動買いを減らすことや、売上第一で、動物の環境をないがしろにするような売買を減らすことを目的としたもののようです。
また、ペットのオンライン販売についても、より厳しい規制が導入され、登録されたブリーダーだけが、より厳しい管理の下で動物を販売することが許可されることに。
「誓約書」で、飼い主の自覚とモラルを
ペットショップの規制に先駆けて、2022年からは、新しく動物を飼う人に対して、新しいペット飼育法に基づく誓約書が義務付けられています。
食や住環境、病気や怪我のときのケアなど、飼い主が動物を適切に世話するための責任を理解して、意思があることを確認するためのものです。
この誓約書には、動物の生理的、行動的、医療的な必要性に関する情報や、費用なども含まれていて、中には「犬を退屈させない」などの項目も。
内容をよく読んで署名をし、ペットを迎える1週間前までに提出するのですが、これによって動物の飼育に対する責任を深く考える時間が与えられます。