記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】個性派ぞろいの花色のバラ[4選]ストライプやブルーのお宝ローズとは?

公開日

更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】個性派ぞろいの花色のバラ[4選]ストライプやブルーのお宝ローズとは?

カナダ、スタンレーパークのローズガーデン

バラの花色のお話です。「ない花色はない」と言われるほど多彩な色彩で魅了してくれるバラですが、実は出せない色もあるんです。また、バラは単色が一般的ですがストライプや縁取りなどのデザインの品種も。他の人が持っていない珍しいバラを探しだして、あなただけのお宝ローズとして育てるのも楽しいものですよ。

▼こちらもどうぞ▼

【ガーデニング】梅雨入り前にやっておきたいバラ仕事

青バラやストライプ、スプラッシュのバラはコレクションの秘蔵品にぴったり

品種改良の技術の進歩により、さまざまな色が生まれたバラですが、それでもなかなか見られない花色があります。それは完全なブルーの色。「blue rose」というワードは歌や詩の世界で「実現不可能な」とか「あり得ない」という意味で使われることもあるそうです。バラには青色の遺伝子がなく、従来の交配の技術ではどうしても青バラを生み出すことはできませんでした。

ところが2004年、日本のサントリーが別の花の青色遺伝子をバラに組み込むことに成功し、‘アプローズ’という世界初のブルーローズが誕生したのでした。不可能を可能にしたことで、大きなニュースになりました。まさに‘喝采’というべき快挙ですが、その花色は淡い青紫色で、完全なブルーにする研究が今も進められています。デルフィニウムやネモフィラのような澄んだ空色のブルーローズの誕生が待ち遠しいですね。

他にも花弁にストライプ模様や細かい斑点が入るバラも次々に誕生しています。特にフレンチローズには、にぎやかで愛らしいストライプローズがいっぱいあって、昔の「絞りのバラ」のイメージを一新してくれます。日本のバラ庭は長らく、淡いピンクのバラをメインにしたやわらかな色調が人気でしたが、ストライプローズをとり入れたビビッドなガーデンもはっとするほどおしゃれです。

ORANGE オレンジ 

オレンジ色のバラというとピンとこないかもしれませんが、古い品種では‛マダム シャルル ソヴァージュ’、‛プリンセス ミチコ’、つるバラの‛ロイヤル サンセット’など記憶に残るバラも揃っています。イングリッシュローズの生みの親、デビッド オースチン氏が妻の名をつけた’パット オースチン’は花つきも香りもよく、日本でも人気です。同じくイングリッシュローズの’サマー ソング’は深みのあるオレンジ色で、他のバラや草花にアクセントをつけてくれます。

【ガーデニング】個性派ぞろいの花色のバラ[4選]ストライプやブルーのお宝ローズとは?(画像2)

‘サマー ソング’ (筆者撮影)

BLUE ブルー

正確にはブルー~パープルの色幅ですが、ミステリアスな花色に引きつけられる人は後を絶ちません。‛ブルー グラビティー‘は青に近い花色で、‛ガブリエル’、‛ミスティ パープル‘なども人気です。ただし、青バラは繊細な性質のものが多いので薬剤散布などのお手入れを忘れずに。’エモーション ブルー’、‘ラプソディ イン ブルー’は比較的病気に強い品種です。忘れてならないのが青バラの名花 ‘ブルー ムーン’。古いバラですが気品ある色と半剣弁咲きの花形で、甘くさわやかなブルーの香りを放ちます。

【ガーデニング】個性派ぞろいの花色のバラ[4選]ストライプやブルーのお宝ローズとは?(画像4)

‛ブルー ムーン‘(筆者撮影)

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

詳細を見る

オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

詳細を見る

花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

詳細を見る
画面トップへ移動