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【ガーデニング】少し珍しい花色のバラをコレクション/ブルーローズの魅力を探る

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吉原美奈子

【ガーデニング】少し珍しい花色のバラをコレクション/ブルーローズの魅力を探る

オレンジ色のバラは珍しくはないけれど、色がフェイディングしていくので1株でグラデーションが楽しめます。

ピンク、赤、黄、白……、いろいろな花色があるバラですが、色のグラデーションが特徴的な品種や、ちょっと珍しい色のバラもあります。コレクションの中に加えてみると変化がついて楽しいものですよ。

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【ガーデニング】少し珍しい花色のバラをコレクション/ブルーローズの魅力を探る(画像2)

ガーデンローズにおすすめの青バラ‘ブルーバユー‘。1933年ドイツ作出の品種です。(筆者撮影)

花色の多彩さはバラの大きな魅力

バラはつる性からミニバラ、超大輪から極小輪、カップ咲きから一重咲きなどというように、バラという一言でくくれないほど、その姿が多彩な植物です。

野生種のノイバラを見ればわかるように、本来は一重の小輪の花でしたが、自然交雑と人の手による交配を繰り返して、現在のように様々な姿形の植物へと変化してきました。

花色に絞ってみても、白、ピンク、赤、黄、オレンジ、紫はおなじみですが、近年では各色の中間色とも呼べる、アプリコット、ベージュ、ブルー、グレーなどのニュアンスカラーのバラも誕生して人気を集めています。

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薄いピンクの地に濃色の斑が不規則に入る、典型的なストライプローズ。

バラを複数コレクションする場合は、色の組み合わせが悩ましいのですが、これが楽しみの一つという方も多いでしょう。

無難にまとめたいなら、好みの色だけをコレクションする、もしくはピンクの濃淡をメインにしてクリームや紫を入れる柔らかなカラースキームがおすすめですが、柔らかい色ばかりでは少し物足りなく感じるかもしれません。
特に面積の広いガーデンではぼやけた印象になってしまいます。

こういう場合は‘ラバグルート’のような黒赤の品種を少しだけ入れると印象が締まります。
また、狭い庭に赤と黄色のバラを入れるとにぎやかすぎて落ち着かないものですが、広い庭だとあまり気にならず、むしろイキイキした雰囲気になります。

バラ種苗会社のカタログを取り寄せて、実際にお目当てのバラの写真をいくつか組み合わせて色調を確認するとよいでしょう。
その際は色だけでなく、花の大きさにも適度な変化をつけると素敵な組み合わせになります。

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花弁の外側に別の色がのる覆輪のバラ、‘ダブルデライト’。世界バラ連合による殿堂入りを果たしています。

色の組み合わせが魅力の複色系

バラには一つの花に複数の色が表れる品種もあります。
最も知られているのは往年の名花、HTの‘ダブルデライト’でクリーミーホワイトの花弁の外側が紅色に染まり、二重の喜びという名前通りの華やかさです。

複色系にはほかにもストライプローズと呼ばれる斑入り品種や、花弁に不規則な斑(スプラッシュ)が入るものもあります。

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小輪のぽんぽん咲きで、スプラッシュが入る‘ひこぼし’。半日陰で育てると青みが強くなります。(筆者撮影)

往年のHTだけでなく、デルバール社やギヨ社から出ているフレンチローズにも魅力的なストライプローズがたくさんあります。
‘モーリスユトリロ’、‘カミーユピサロ’、‘クロードモネ’などの複色のバラをバラコレクションに加えてみると庭がぐんと華やかになるでしょう。

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デルバールの画家シリーズはストライプローズのラインナップで知られます。写真はモーリスユトリロ‘。(筆者撮影)

一重咲きとは、花びらが1列だけ並んでいるシンプルな形状の花を指します。このタイプの花はナチュラルな雰囲気や素朴な美しさが魅力で、ガーデニング初心者にも人気があります。一重咲きの典型例として、ヒマワリやコスモスなどがあります。この構造は花の中心部が目立ちやすく、虫を引き寄せやすいため、庭の受粉環境を向上させる役割も持っています。

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斑入りとは、白や黄色、クリーム色など、本来の植物の色とは異なる色の模様が入っている状態のことを指します。斑入りの葉の植物は観賞価値が高く、花が咲かない季節でも楽しめますが、日差しが強すぎると、斑の部分が茶色く焼けてしまうことがあります。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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種苗とは、植物を育てるために用いられる種子や苗や球根の総称で、ガーデニングでは花や野菜、果樹など多様な品目にわたって利用されます。良質な種苗を選ぶことで、発芽率や生長の安定性、病気への強さなどに差が出るため、育てる植物の性質や目的に合わせて選ぶことが大切です。また、地域に適した種苗を選ぶことで、より育てやすく失敗の少ないガーデニングが可能になります。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

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