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【ガーデニング】夏のバラ管理はここに注意! 一季咲きのオールドローズとつるバラは?

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吉原美奈子

【ガーデニング】夏のバラ管理はここに注意! 一季咲きのオールドローズとつるバラは?

樹木と芝生がつくる緑のキャンバスに、色とりどりのバラで絵を描いたような素敵なガーデン。アイアンのチェアにもバラを置いておしゃれに。

初夏の気候を好むバラたちにとって厳しい季節がやってきました。酷暑に見舞われる地域では耐暑性にも注意してバラを選ぶことが大切です。見過ごしがちな、一季咲きのつるバラとオールドローズの夏の管理のお話もあります。

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もはや熱帯と化した日本の夏はバラには過酷

バラの生育に適した気温は25℃前後といわれ、30℃を超すと生育が鈍ることが多いものです。それでも四季咲き性のモダンローズであれば真夏でも花をつけることはできますが、さすがに最高気温が37℃などの日が続くと下葉から黄色くなり、最悪の場合は枯れ込んでしまうケースもあります。

近年の熱帯のような日本の夏では、暑さに強いこともバラ選びのポイントの一つといえるでしょう。猛暑になる地域にお住いの方は、バラを選ぶ際にカタログやネット上の品種解説をよく読んで、耐暑性の強い品種を選ぶことが大切です。

また耐暑性があるということは、真夏でも春のように元気に花を咲かせるという意味ではなく、緑の葉を保って元気に夏を過ごす品種であるという意味もあります。一般に高温乾燥が続くと花は小さくなり、花形も春のような美しさはありません。なので、真夏は無理に花を咲かせて株に負担をかけるより、蕾を切って株の体力を温存させ、秋花に備えるというスタンスでいてもよいでしょう。

【ガーデニング】夏のバラ管理はここに注意! 一季咲きのオールドローズとつるバラは?(画像2)

‘ベル ロマンティカ’ 明るい黄色の可愛いバラ。耐暑性、耐寒性があり、黒点病とうどん粉病にめっぽう強く、減農薬で育てたい人におすすめ。枝を伸ばし、小型のつるバラとしても使えます。鉢植え向き。

【ガーデニング】夏のバラ管理はここに注意! 一季咲きのオールドローズとつるバラは?(画像3)

‘ジュビリー セレブレーション’(筆者撮影) エリザベス女王の即位50年を祝って誕生したバラ。果肉のゼリーを思わせる独特な色と花弁の質感で、香りもとてもフルーティー。丈夫で耐暑性があり、鉢植えにも向きます。

暑さに強く、なおかつ自分の審美眼にかなうバラを探す

近年は耐暑性と耐寒性にすぐれ、病害虫の被害にも強いバラが次々に生まれています。‘ノックアウト’シリーズはその代表格で過去に全米で100万本以上を売り上げたとも言われています。ほぼ手入れ不要で公共施設の花壇などに最適ですが、花形や香りにこだわりのある方にはもの足りなく感じるかもしれません。

筆者の印象に残る、美しくて暑さに強い品種をいくつかあげると、イングリッシュローズの‘レディ エマ ハミルトン’、‘ジュビリー セレブレーション’、フレンチローズの‘ローズ ポンパドール’、コルデス社の‘ホーム&ガーデン’などがあります。また‘ファビュラス!’もおすすめの品種です。白の花は弱いという定説をくつがえし、暑さ、寒さに強くほぼ絶え間なく花を咲かせます。

【ガーデニング】夏のバラ管理はここに注意! 一季咲きのオールドローズとつるバラは?(画像4)

‘ファビュラス!’(筆者撮影) 丈夫で花付きがとてもよく、名前は「素晴らしい!」という意味。写真は雨や暑さの影響を受けた時期に撮影したものですが、それでもここまできれい。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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モダンローズとは、19世紀後半以降に登場したバラの品種群で、現在のバラ栽培の主流を担っています。ハイブリッドティーやフロリバンダなどが含まれ、鮮やかな花色、豊富な形状、長い開花期間が特徴です。ガーデニングでは品種選びの幅広さから初心者にも人気で、切り花にも最適です。クラシカルな香りを楽しめる品種も多く、庭やベランダを華やかに彩ります。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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