【要約小説】名作のあらすじを読もう!
浜尾四郎の『殺人狂の話』あらすじ紹介。異常心理が描く不条理と狂気の世界
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ゆうゆうtime編集部
浜尾四郎の『殺人狂の話(欧米犯罪実話)』は、動機なき殺人に駆られる人物たちの恐ろしい逸話を描いた短編小説。日常に潜む狂気と人間の異常心理、その本質とは?読み解けば、息を呑むこと間違いありません。
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本作では、怨恨や金銭といった明確な動機を持たず、ただ「殺したいから殺す」という衝動に駆られた恐ろしい殺人狂たちが登場します。このような人々を描くことで、浜尾四郎は、私たちの日常に潜む狂気と不条理を鮮明に浮かび上がらせます。動機なき殺人は一般的な理解を超えており、犠牲者はたまたまその運命に巻き込まれる不運な存在として描かれます。
ヴァッヘル事件 - 南欧の惨劇の浮浪者
南欧の「惨劇の浮浪者」と呼ばれたヴァッヘルは19世紀末のフランスでいくつもの暴力事件や殺人を引き起こした殺人狂。彼は嫉妬心から恋人に銃を向け、自らの耳も損傷。以降、暴力的な行動が目立つ彼は一度病院に収容されるも、「全快」と判断され釈放。その後彼は各地で殺人と暴行を繰り返しますが、その動機はいずれも曖昧で、衝動に突き動かされただけでした。最終的には逮捕され、裁判で死刑判決を受けました。
メネルー事件 - 破壊された純真
夫婦と幼いルイズという家族が暮らす中、隣家に住む若者ルイ・メネルーによる恐ろしい犯罪が発生します。ルイ・メネルーは4歳の少女ルイズを誘拐し、自宅で殺害。その後彼女の遺体を焼き尽くそうとしますが、警察の突入により事件が発覚します。彼の行動と供述は驚きと恐怖をもたらしました。メネルーは最後まで心理的異常を主張するも、法的責任を問われ死刑とされます。
ソレイラン事件 - 背徳と暴力の狭間
裕福な家の若者ソレイランは、11歳の少女マルテを暴行し殺害。その後、彼女の遺体を鉄道荷物として隠しました。彼は裁判で、自らの行動の記憶がないと主張しますが、証拠と目撃証言からその冷酷さが暴かれます。最終的には死刑判決を受けるも、大統領の特赦により死刑を免れました。その後も世論からの激しい批判にさらされます。
ジャン・ウエーバー事件 - 女性殺人狂の恐怖
殺人狂が男性に限らないことを示すのがジャン・ウエーバーの事件です。彼女は次々と子どもたちの命を奪いますが、その犯行が発覚するまで長期間にわたり誰にも怪しまれませんでした。最終的に逮捕され精神疾患が認定されるも、病院で自殺。彼女の動機は不明ですが、周囲の無力感が際立っています。
まとめ
浜尾四郎の『殺人狂の話(欧米犯罪実話)』は、異常心理に取りつかれた殺人狂たちの行動と、その背景にある狂気と社会の無理解を克明に描き出した怪奇文学の名作です。男性のみならず女性にも広がる残虐性を通して、人間の闇を追及。被害者の絶望や法の限界など、社会的なテーマも感じられます。読後に残るのは、狂気を現前にしたような息苦しさ。これはそのまま、人間の心の深淵を覗き込む行為といっても過言ではありません。恐ろしいけど不思議と目が離せない世界を、ぜひ体験してみてください。
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