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【ガーデニング】貴重なスパイスだからこそ自分で育てたいハーブ【サフラン】の栽培方法と活用アイデア3選

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ゆうゆう編集部

「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【サフラン】です。

古くから珍重されてきた【サフラン】

貴重なスパイスの原料となるサフラン。名前は知っていても、特徴や利用法を知らない人も多いのでは? 

古くから珍重されてきた植物の魅力を、桐原春子さんに伺いました。

科名/アヤメ科
性質/多年草 
草丈/約30㎝

料理を黄金色に染め上げるスパイス

サフランは、桐原春子さんがずっと紹介したいと思っていたハーブ。

「南欧などでは、料理を黄金色に染める高級スパイスとして古くから利用されてきた貴重なハーブです。日本ではパエリアでおなじみですね。以前、パエリアの本場・スペインを訪れたとき、一面にサフランが植えられている風景を見て驚きました。イタリアで食べたサフラン風味のブイヤベースも印象に残っています」

サフランの原産地は南欧や小アジアで、紀元前の時代から、医薬品や染料、料理の香りづけに利用されてきました。旧約聖書にも登場し、貴い香物として記述されているそう。 

サフランを利用する際は、1本の先が3つに分かれる雌しべを摘み取り、ざるなどにのせて室内で4~5日おき、乾燥させたものを使います。

「450グラムの雌しべを収穫するためには7万~8万本もの花が必要とされ、手作業による収穫の手間は大変なもの。サフランが貴重なスパイスであるのもうなずけます」

さまざまな料理に、高貴な色と香りをプラス

「甘さとスパイシーさが絡み合う、濃厚で独特な香りです。ただ、使いすぎると苦みが出るので、ごく少量から試してみて。魚や肉料理、ソース類の色づけ、風味づけに利用する他、ティーやケーキ、砂糖菓子にも合います。イギリスではサフランケーキというお菓子もあります」

栽培は容易で、市販の球根を鉢や土に植えれば花が咲きます。室内外で栽培できて、水栽培も可能。

球根はなるべく大きく充実したものを求めます。翌年も咲かせたい場合、花後に球根を太らせるためにカリ分の多い肥料をやり、葉が枯れたら掘り上げて新しい土で植え替えます」

赤い雌しべが特徴。偽物にご用心!

秋に薄紫色の花を咲かせるサフランの鉢植え。花後に細い線状の葉が茂り、その美しい姿も魅力的です。

クロッカス(花サフラン)、コルチカム(イヌサフラン)は花も名前も似ているものの、赤い雌しべがありません。特にコルチカムは有毒植物なので要注意。

植え替えとは、鉢植えや地植えの植物を別の場所や容器に移して育て直す作業を指します。生長に伴って根詰まりを起こしたり、用土の養分が不足したりした場合に必要で、植物の健康を保つために欠かせない手入れのひとつです。時期としては休眠期や生長初期が適していて、新しい用土や大きな容器、広い場所に植え替えることで根の活性化を促します。根の状態を確認しながら丁寧に行うことで、再び元気に育ちやすくなります。

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雌しべは、花の中心部分に位置する植物の生殖器官で、種子をつくる重要な役割を担います。柱頭、花柱、子房から構成され、柱頭は花粉を受け取る部分、子房は受粉後に種子が育つ場所となります。花によって雌しべの形や大きさは異なりますが、受粉プロセスにおいて不可欠な存在です。ガーデニングを楽しむ際には、雌しべの構造を知ることで受粉や種子形成の理解が深まり、植物の仕組みに一層の興味を持てるでしょう。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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